WRC2017/08/21

ティデマンド、ドイツでWRC2王座を獲得

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 Mスポーツ・ワールドラリーチームのエリック・カミリー(フォード・フィエスタR5)がラリー・ドイッチュランドでWRC2初優勝を飾り、シュコダのWRC2連勝記録を12でストップしたものの、3位でフィニッシュしたシュコダ・モータースポーツのポントゥス・ティデマンド(シュコダ・ファビアR5)が早くも今季のWRC2チャンピオンを獲得することになった。

 ティデマンドは今季、スウェーデン、メキシコ、アルゼンチン、ポルトガルで4連勝を飾り、ポーランドで2位になったあと、今季5戦目をドイツで迎えていた。しかし、彼は土曜日のラリー最長ステージのパンツァープラッテの1回目の走行でバーストに見舞われて1分近くロス、優勝争いからは完全に脱落、最終日を3位で迎えることになった。

 だが、朝の段階ではまだ彼のタイトルは微妙な状況だった。彼の王座を阻む可能性のあったテーム・スニネン(フォード・フィエスタR5)もまたパンツァープラッテでパンク、タイヤ交換を強いられたために2分30秒あまりを失って8位まで後退したが、驚くべき速さで追撃を開始、6位まで浮上してタイトルの可能性に一縷の望みを残して最終日のスタートを迎えていたからだ。

 そして日曜日のオープニングSSで4位につけていたガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)がラジエータを壊してリタイアとなったため、ベストタイムを獲得したスニネンは一気に4位へと浮上、ティデマンドのすぐ背後まで追い上げてきた。

 これで王座は次戦に持ち越しになったかと見られていたが、なんとスニネンがSS19のマディなコーナーでコースオフ、脱出に1分以上も要したためにふたたび7位まで後退することになる。これで最終ステージをティデマンドが3位でフィニッシュすれば計算上では彼の初王座が決まる状況になった。

 ティデマンドはわずかなプレッシャーを感じつつも着実な走りで3位をキープ、WRC2タイトルを決めることになった。

「僕らは今季、この時のために懸命に取り組んできたし、チームはすべてのラリーのために本当にいい準備を行ってくれた」とティデマンドは語った。

「僕にとってもチームにとっても良かったよ、完璧なシーズンだったよ。ヨナスとチームと僕のエンジニアたちに本当に感謝している。これ以上ない最高のサポートだったよ!」

 ラリーは木曜日の夜に行われたスーパーSSで首位に立ったヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアR5)が土曜日のパンツァープラッテの2回目の走行でパンクに見舞われて後退したあと、初日のクラッチトラブルで5位まで順位を落としていたカミリーが首位に浮上することになった。

 カミリーは土曜日を終えてコペツキを1分12.2秒リード、だが、最終日はわずか51kmと短い。コペツキが必死の追い上げをみせたが届かず、カミリーが48.1秒差をつけて圧勝することになった。

「金曜日のスタート早々に問題を抱えることになったが、チームが素晴らしい仕事をしてくれたので僕らはヤン(・コペツキ)とのバトルに戻ることができた」とカミリーは語った。「彼がパンクをしたあとは僕らはリードをコントロールすることがすべてとなったが、うまくやりきることができてよかったよ。素晴らしい週末になったことをチームとコドライバーのベンジー(=バンジャマン・ベイヤ)に感謝したい!」

 3位のティデマンドに続いて、カンタン・ジルベール(シュコダ・ファビアR5)が4位でフィニッシュ、コースオフから復帰したピエール-ルイ・ルベー(フォード・フィエスタR5)が5位で続いている。