15日間にわたる1万kmを超える戦いとなったシルクウェイ・ラリーは23日に最後の競技区間を行い、チーム・プジョー・トタルのシリル・デプレ(プジョー2008 DKR)が総合優勝を決めている。
23日の第14レグは烏海から内モンゴルのフフホトまでの754.28km、うち261kmの最後の競技区間が行われた。前日までに30分あまりのマージンを得ていたデプレだが、残り30kmでターボとみられる異常を知らせるアラームが表示されるなど小さなトラブルに見舞われることになったものの、無事に最後まで走り抜き、2年前にバイクから4輪に転向して以来、初めてクロスカントリーラリーで優勝することになった。
デプレは、最後の最後にヒヤリとした瞬間を味わいながらも、長かったイベントでの勝利を噛みしめていた。
「優勝は信じられない、夢をみているようで、実感がまったくわかないよ。この勝利をデビッド(・カステラ)と分かち合いたいよ。彼と組んでから4輪での初めてのラリー勝利だからね」とデプレは語った。
「警告音が鳴ったので少しストレスを感じたよ。僕はまるでルマン24時間レースの中嶋(一貴)のように『ノーパワーだ』と言ってマシンを止めて、ボンネットを開けたんだ。幸いにもジャン-ポール・コレット(ペテランセルのナビゲーター)がすぐに駆けつけてくれて問題を発見してくれた。これこそがチームワークの素晴らしさだね。最良の男たちに囲まれているときは、優勝することはずっと簡単になる」
第3レグで首位に浮上したデプレは、その翌日にチームメイトのステファン・ペテランセルにトップを奪い返されたものの、第5レグでペテランセルが横転して後退して以降、リードを守り抜いてきた。
「それにしても僕らはモスクワをスタートしてから本当に多くのことを学んだよ。簡単ではなかったが、ステージ最速タイムも出すことができたことで、次第に自信を増すことができた。素晴らしい時間を過ごすことができたよ。プジョースポールがスーパージョブをしてくれたので、彼らに感謝したいよ」
2位には25分51秒遅れでヤジード・アル-ラジ(MINIオール4レーシング)、3位にはウラジミール・ワシリエフ(MINIオール4レーシング)、ハリー・ハント(MINIオール4レーシング)が4位で続いている。
セバスチャン・ローブ(プジョー2008 DKR)は第12レグでデプレまで2分55秒差まで迫ったかに見えたが、ウェイポイントの不通過により7位に終わっている。
明日はイベント最終日となり、クルーたちは507km先に待つ北京のゴールをキャラバンでめざす。
■シルクウェイラリー 第14レグ
1. C.デプレ(プジョー)36h15m18s
2. Y.アル-ラジ(MINI)+25m51s
3. V.ワシリエフ(MINI)+49m46s
4. H.ハント(MINI)+1h54m47s
5. A.ラキンバエフ(MINI)+2h12m45s
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7. S.ローブ(プジョー)+4h02m01s
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15. S.ペテランセル(プジョー)+9h27m03s