WRC2017/06/11

トップ5のうちヤリスが3台を占めて最終日へ

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのトミ・マキネン代表は、サバイバル戦となったラリー・イタリア・サルディニアの土曜日を終えてトップ5のうちヤリスWRCが3台を占めていることを驚くとともに、ドライバーとチームの総合力の高さが証明されたことを歓迎している。

 ヤリ-マティ・ラトバラは、SS12ではパンクで遅れたマッズ・オストベルグが巻き上げるダストに阻まれてタイムを失ったが、それでも順位を前日の4位から、2位に上げることに成功。また、エサペッカ・ラッピもこのラリーで4度目となるベストタイムを獲得して4位に浮上、ユホ・ハンニネンもスピンでの遅れはあったものの5位で続くことになった。

 チーム代表のマキネンは、この難しいラリーでヤリスが3台すべてトップ5に入っていることを誇りに思っている。

「今年もっともタフなラリーだと思われるサルディニアで、ヤリスWRCは全車が5位以内に入っている。選手とクルマの強さが証明された形だが、エンジニアとメカニックの貢献も忘れるべきではない。彼らは各サービスで多くの作業をこなし、限られた時間内できっちりと仕事を終え、タイムペナルティを受ける事なくクルマを送り出している。今日もクルマに大きなトラブルはなく、またパンクもなかったが、それがこのラリーでは非常に重要であることは、周りを見ればきっと理解できるはずだ」
 金曜日の滑りやすい路面で11位まで順位を落としたラトバラは、厳しいコンディションでの戦いとなった土曜日に2位までポジションをアップできたことに満足している。

「最後のステージはタイヤが完全に摩耗し、ブレーキ温度も上がってしまった」とラトバラは語った。「しかし、それ以外はうまく行き、コースに合わせてクルマを改善する事ができた。朝のループの最後のSS12では、パンクして遅れた他のクルマの後ろをしばらく走り、土煙の中で前が見えず10秒程度を失ってしまった。どうやら、すぐ後ろを走る自分たちに気がつかなかったようですが、決して少なくないタイムロスだったので、チームとして主催者にアピールした。失ったタイムを少しでも取り戻す事ができるのではないかと、期待している」

 ラッピは土曜日の最終ステージでこのラリーで4回目のトップタイムを奪い、ハンニネンを抜いて4位に浮上している。

「今日は出走順が3番手だったので、道の表面には滑りやすいルースグラベルが多く、それを掃除しながら走るのは困難だったが、自分にとっては新しい経験となった」とラッピは語った。

「今日も思い切り攻めるのではなく、ミスのないスムーズな走りを心がけた。午前、午後の両方で最後のSSが近づくにつれてブレーキが厳しくなっていったので、クルマに問題が起こらないように、かなり注意深く走った。また、午後は気温が上がり、路面がザラついてタイヤには厳しいコンディションとなったので、タイヤを労って走ったが、それは正しい判断だった」

 ハンニネンは最終ステージでスピン、ステアリングに問題を抱えたために5位にポジションを落とすことになったが、それ以外は満足できる一日だったと語っている。

「最後のステージでスピンした際にパワーステアリングに問題が起こり、タイムをロスした以外は良い1日だった。午後のステージでは、タイヤに大きな負担をかけないように全開アタックをひかえ、タイヤをうまく持たせるように気をつけて走った。路面が荒れると予想して、デイサービスで車高を上げて足まわりを硬めましたが、それは正解だったね」