WRC2017/04/18

トヨタ、ポルトガルにラッピを3台目でエントリー

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racingは、チームのテストドライバーであるエサペッカ・ラッピと、コドライバー、ヤンネ・フェルムが5月19日から開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・デ・ポルトガルに参戦することを発表した。

 ラッピは、3台目のヤリスWRCのドライバーとして、ヤリ-マティ・ラトバラとユホ・ハンニネンと共にチームに加わり、開発ニーズに応じて、今シーズン中にいくつかの欧州イベントに参戦する。

 ヤリスWRCは初戦モンテカルロでのデビュー以来、想定以上の成績をおさめており、第2戦スウェーデンでは、ラトバラが総合優勝を飾っている。しかし、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、復帰初年度である2017年を学びの年と捉えており、3台目の投入により、ヤリスWRCの開発を更に加速させることを狙っている。

 ラッピは、昨年のWRC 2でシリーズ優勝を果たし、ラリー界で有望視されている若手ドライバーの一人である。また、彼は2017年シーズン前からチームにテストドライバーとして加入しており、ヤリスWRCを良く知っている。チームは、今回の参戦で26歳のラッピが今後に向けた多くの学びを得ることを期待している。

 チーム代表のトミ・マキネンは次のように語っている。

「エサペッカ(・ラッピ)は、とても若くハングリー精神旺盛なドライバーだ。今回のヤリスWRCでの初めてのラリー参戦に向けて、十分なテスト走行をすることができたとは言えないが、彼なら全力を尽くしてやってくれるはずだ」

「彼の目標は、チームの目標と同じく、ラリーを完走し、出来る限り多くのデータを集めることだ。我々はヤリスWRCの開発をさらに進める必要があり、エサペッカはその重要な役割を担うことになる。もちろん、通常のテスト走行から得られるものも多くあるが、実戦で強い競争相手と競うことにより、さらに多くのことを得ることができる。そのため、我々はエサペッカとヤンネ(・フェルム)を今年のシリーズ中に数回出場させることを決めた。若いドライバーにチャンスを与えることも重要だ」

 ラッピはWRカーのデビューを待ち望んできたと語った。

「僕は今までこの日のために頑張ってきたんだ。WRカーで参戦できる素晴らしいチャンスを得て、とてもうれしく思っているよ。2014年のラリー・フィンランドで、初めてトミと豊田総代表に会う機会があり、挨拶を交わしたが、まさか彼らのチームの一員として走ることができるとは思ってもいなかった」

「ヤリスWRCでのテスト走行は、それほど多くはできていないので、R5マシンよりはるかに高性能で速いWRカーに適応するため、これから経験を積んでいく必要がある。一緒に走るヤンネにとっても、このWRカーに慣れるためにしなくてはならないことが山のようにある。例えばペースノートは、今までとは比べ物にならないほど速く読み上げる必要がある。しかし、二人で着実に課題に立ち向かい、トラブルなく、ラリーを完走することが僕の目標です。そのように一つずつ経験を積み上げ、完走を重ねられれば、いつかポイントを獲得することができると信じているよ」