WRC2023/02/27

トヨタ、メキシコのためのプレテストを開始

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTは、先週末から世界ラリー選手権の次戦ラリー・メキシコに向けたプレイベントテストを開始した。

 ステージの標高が2700mに達するラリー・メキシコのために、トヨタは南スペインの山岳エリアをテストの舞台に選び、金曜日には勝田貴元が、土曜日にはカッレ・ロヴァンペラ、そして日曜日にはエルフィン・エヴァンスがテスト走行を行っており、月曜日には開幕戦モンテカルロ以来の参戦となるセバスチャン・オジエが1カ月ぶりにGRヤリスRally1のコクピットに戻ってテストを行うはずだ。

 トヨタは2月のラリー・スウェーデンでは表彰台を逃す残念な結果に終わっているだけにが、来月のラリー・メキシコは2023年のグラベルラウンドの緒戦となるだけに、その準備もまたいっそう重要な意味をもっている。

 トヨタは、昨シーズンはドライバーズタイトルとマニュファクチュラーズタイトルを独占したが、GRヤリスRally1はサルディニアやアクロポリスなどのラフなグラベルラリーでライバルと比較して弱さを見せていた。昨年、トヨタが表彰台を逃したのはこの2戦だけだったということもあり、より完璧なシーズンを目指すトヨタにとっては、先週のテストはグラベル路面でチームが前進しているかどうかを知る貴重な機会となったはずだ。

 トヨタは開幕戦に向けてエアロとエンジンのアップデートを行ったが、チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、チームはメキシコに向けたテストにおいてGRヤリスの次の開発段階を開始することを目標としているとラリー・スウェーデンにおいて語っていた。

「メキシコについて言うと、これから行うグラベルテストは、とても重要だと考えている。昨年我々はハードタイヤでハードな路面のコンディションに苦戦した」とラトバラは語った。

「この組み合わせにおいてはスピードを欠いていたので、メキシコの前のこのテストが重要だ」

 トヨタは2017年にWRCに復帰してから数年間は空気が薄いメキシコで冷却の問題に悩まされることもあったが、いまはそうした問題も解決しているはずだろう。しかし、新しいRally1カーで臨む初のメキシコとなるため、トヨタはテストにおいて冷却機能の確認のためかラジエーターの開口部を丸い穴が開いたプレートで覆い、空気が当たりにくくしたマシンで走行テストを行っていた。