WRC2021/06/11

トヨタ、ユヴァスキュラ新拠点にチーム機能を集中

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTは、エストニアに設けていたチーム第2の拠点を閉鎖してユヴァスキュラの新ファクトリーにチーム機能を集中することになったとフィンランドのケスクシ・スオマライネン紙が報じている。

 トヨタは昨年まで、プーポラにあるトミ・マキネン・レーシングの施設をヘッドクオーターとして位置づけ、ラリーカーの設計・開発、テストサイトでマシンの走行テスト作業などを行っていたが、WRCを転戦するヤリスWRCのプリペアとリビルトを合理的に行ってローテーションさせることを目的として、エストニアのタリンに作られたワークショップを2018年8月から稼働させ、ラリーチームの機能を2つの拠点で分担してきた。

 初代チーム代表を務めてきたトミ・マキネンは昨年末に勇退、2021年からWRCのオペレーションはトミ・マキネン・レーシングからトヨタGAZOOレーシング・ヨーロッパ(TGRE)に移管されている。

 TGREは昨年末、プーポラからクルマで20分ほどの近さにある同じユヴァスキュラ市内のユスカにTGREフィンランド支社を開設、ここをトヨタGAZOOレーシングWRTの新しい拠点にするための準備を行ってきたが、WRCのインターバルを利用して4月には多くの事業がこちらでの作業を開始しているようだ。

 チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、ケスクシ・スオマライネン紙に、「ユスカの新しいファクトリーは8000平方メートルの敷地を持ち、チーム全員が一つ屋根の下に収まることができるほどの広さをもつ」と語っている。

「チームは、エストニアで作業にあたってきた全社員にフィンランドに来る機会を提供しているが、まだ誰からもこの申し出は断られていない」

 トヨタはユヴァスキュラの森林内にある高速グラベルステージをWRCチームのパーマネント・テストサイトとしてFIAに登録しており、新ファクトリーからもクルマで1時間もかからないほどの近さに位置する。