WRC2019/04/20

トヨタ、南米連戦で選手権奪還を誓う

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTは、2戦連続して行われる南米ラウンドでドライバーズ選手権とマニュファクチャラーズ選手権の首位奪還を狙って挑む。

 トヨタは2月のラリー・スウェーデンでオイット・タナクが初めてドライバー選手権のトップに立つとともにマニュファクチャラー選手権でも首位に浮上、2つの選手権のトップをキープしてきたが、ツール・ド・コルスが期待外れの結果に終わり、ともに選手権3位に後退している。

 世界ラリー選手権はふたたびヨーロッパを離れ、来週の4月25〜28日にラリー・アルゼンチンが行われ、さらに2週間後の5月9〜12日にラリー・チリが続き、南米でのダブルヘッダーとして開催されるが、この2戦は「リンクドラリー」と定義され、ドライバーは、アルゼンチンを走り終えたクルマでチリを戦う必要がある。

 このためシャシーについては現地でプリペアを行い、エンジン、トランスミッション(スペアも含む)はアルゼンチンと同じものを使用することになり、ショックアブソーバー等のパーツは、スペアを含めてアルゼンチン用に用意したものを一部再使用することになる。そのため、チームは、アルゼンチンとチリの2戦分を考えてパーツの準備とセットアップを行わなくてはならない。もちろん2戦ともに現地でのプレテストが禁止されているという難しい条件でのラリーとなり、とくにチリは誰にとってもシェイクダウンが初めての走行となる。

 誰もがよく知っているアルゼンチンと誰にとっても未知な戦いが待つチリでは戦い方が違うことは明らかだが、チーム代表のトミ・マキネンはプレテストでのマシンの仕上がりに満足しており、この南米2戦に十分な自信をもって臨めると語った。

「前戦のツール・ド・コルスでは期待していたような結果を残せなかった。しかし、次の南米2連戦に向けては十分な自信がある」とマキネン代表は語った。

「アルゼンチンは、我々のドライバーを含む皆が良く知っているラリーだ。オイット(・タナク)はアルゼンチンでとても強く、昨年は我々に優勝をもたらしてくれている。きっと、今年も十分にチャンスがあると思っているはずだ」

「また、ヤリ-マティ(・ラトバラ)とクリス(・ミーク)もアルゼンチンを得意としている。続くチリは、すべてのチームにとって未知なるラリーだが、路面は非常にスムースなようなので、我々のクルマに合っていると思う」

「今後のグラベル・ラリーに向けて、我々はポルトガルでテストを行ない、グリップとトラクションをさらに高めるため、サスペンションの改善に努めてきた。2戦連続でラリーを戦うことは、チームにとって新たなチャレンジだ。2戦の間に現地でクルマを組み直すのは初めてだが、メカニックの作業があまり多くならないことを願っている」