WRC2018/11/18

トヨタ、復帰2年目でのチームタイトルに王手

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシングWRTは、ラリー・オーストラリアのデイ2を終えて、オイット・タナクが総合トップに浮上、逆転でのワールドチャンピオンに望みをつなぐとともに、チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラも総合2位につけており、1-2態勢を築いてマニュファクチャラータイトルに王手をかけている。

 タナクは初日にエアロを壊して遅れたために5位で土曜日をスタートしたものの、SS14で首位へと浮上、この日行われた全10ステージのうち6ステージでベストタイムを記録するなど1日を通してスピードをみせて優勝に大きく近づいた。タナクはこのポジションのまま明日をフィニッシュすれば今季最多の5勝をマークするとともに、ティエリー・ヌーヴィルをドライバーズ選手権で抜く計算となり、選手権リーダーのセバスチャン・オジエに波乱が起きれば悲願のワールドチャンピオンに輝く可能性もある。

 また、土曜日を3位でスタートしたラトバラは、SS11で首位に浮上し、タナクに抜かれたあとも2位をキープして優勝への強い意志をみせていたが、2回の走行を行う最後のスーパーSSでは突然の強い降雨によって不運なことに彼は2回の走行ともに大幅にタイムを失い、わずか9秒あまりだったタナクとの差は21.9秒へと広がってしまった。それでも彼は依然総合3位のヘイデン・パッドンに対し4.4秒差をつけており、1-2勝利でトヨタのマニュファクチャラー王座獲得にむけてこのポジションをキープすることを誓っている。

 また、デイ1総合6位のエサペッカ・ラッピは、SS15でベストタイムを記録するなど好調を維持し、前日よりもひとつポジションを上げている。総合4位のマッズ・オストベルグとの差は3.8秒と小さいため、彼は明日のデイ3ではさらなるポジションアップを目指す。

 チーム代表のトミ・マキネンは、ドライバーたちは明日をどう戦うべきかも理解していると語った。

「非常に良い形で1日を終える事ができた。特に大きな問題もなく、素晴らしい日だった。チームのドライバーたちは良くやったし、明日、どう戦うべきかも理解しているはずだ。このままのポジションでシーズンを終える事ができたら、とても素晴らしいことだ」

 首位に浮上したタナクは、現時点では全てが正しい方向に進んでいると勝利に自信をみせた。

「今朝は本来のリズムを取り戻し、クルマのフィーリングも良かったので、少し攻めた走りをしてタイムを挽回することができた。そして午後も攻めの走りを続け、後方の選手に対するマージンをさらに拡大することができた。明日は少々トリッキーなステージがあり、また天気も安定しないようなので、簡単には行かないかもしれないが、現時点では全てが正しい方向に進んでいるし、あらゆる状況をコントロールできていると思う」

 ラトバラはいくつかの不運によってタナクからは大きく遅れたが、チームのためにもこのポジションをキープすると語っている。「午前中は本当に良かったが、恐らくタイヤに対する負荷が強過ぎたからだと思うが、午後はタイヤがかなり摩耗してしまった。そのためペースを緩めなくてはならず、さらに、スーパーSSではアンラッキーなコンディションでの走行となった。それでも、依然として総合2位につけているのでこの順位を最後まで保つことがマニュファクチャラーズ選手権にとっては本当に重要になる」

 また、総合5位につけるラッピは、トヨタでの最後のラリーを完走させることが目標だと語っている。「自分の前も後ろも大きくタイム差がついたので、今日は集中力を保つのは簡単ではなかった。午後2つ目のステージで少しペースを緩めたところ、すぐにミスをしてしまったが、やはり攻めるべきだと決心したところ、次のステージではベストタイムを出して4位との差を詰めることができた。明日は、クルマをフィニッシュに運ぶことが最大の目標になる」