WRC2018/09/15

トヨタ、苦しい発進も4-5位まで挽回

(c)Toyota

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 ラリー・トルコは金曜日にDAY1をリスタート、トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームは未体験のトルコに苦しいスタートを切ることになったが、3人のドライバー全員が午後になって少しずつペースを上げることに成功し、ヤリ-マティ・ラトバラが総合4位に、オイット・タナクが総合5位に、エサペッカ・ラッピが総合7位につけることになった。

 ラリー・トルコの金曜日は、マルマリス北西の山岳地帯で3つのステージを各2回走行。6本のSSの合計距離は144.84kmと、4日間でもっとも長い1日になり、路面は一部濡れていましたが、強い日差しと高い気温により全体的にはドライ・コンディションになった。

 事前に予想された以上に路面は非常に荒れており、クルマのボディとタイヤに大きな負荷がかかる過酷な環境下でのラリーとなった。トヨタ勢は朝のループではラトバラの6位が最上位とグリップに苦しいスタートとなった。

 それでもラトバラはミスのない安定した走りでトップと16.3秒差の総合4位で1日を終え、タナクも午前中はやや苦しい展開となったが、この日最終のSS7で初のベストタイムを記録、チームに加入した今シーズンの開幕戦からすべてのラリーでベストタイムを記録して5位で続くことになった。

 未体験のトルコに苦しいスタートとなったトヨタ勢だが、チーム代表のトミ・マキネンは最終ステージのタナクのベストタイムに勇気付けられたと語った。

「今日は非常に厳しいコンディションに直面したが、それでもヤリスWRC全車が技術的な問題なくサービスに戻って来られたのは喜ぶべきことだ。ドライバーは皆、冷静にラリーを戦い、クルマにも強さがあった。また、最後のステージでのベストタイムには勇気づけられた。パフォーマンスの改善にもう少し集中して取り組めば、きっと継続的に良いタイムが出るはずだ。明日はまた新しい1日になる。このようなラリーでは、依然あらゆる可能性が残されているよ」

 ラトバラは、グリップ不足に苛立つ場面もあったが、ミスをしないように安定した走りを続けたと一日をふり返った。

「今朝の最初のステージは、前走車の土煙で視界が悪かったにもかかわらず、良いタイムが出た。その後のステージでは少しタイムを失ってしまったが、午後は状況が良くなった。ステージはとても荒れていたので、とにかくクレバーにミスをしないように安定した走りを続けるよう集中し、1位と16秒差の4位で1日を終える事ができた。明日のステージは路面コンディションが今日よりも少し良いので、我々にとってはチャンスだと思う」

 タナクは首位から31.9秒遅れの5位だが、この日最後のステージでは車高を落としたことがベストタイムにつながり、まだまだトップ争いに戻るチャンスはあると手応えを感じているようだ。

「朝の路面コンディションは、予想していたよりも悪くなかったが、滑りやすいルーズグラベルによってタイヤのグリップレベルが十分に得られなかった。午後も非常に大変だったが、最後のステージは路面がとてもスムースだったこともあり、良い走りがでた。明日もさらにクルマが良くなるように、エンジニアと取り組むつもりだ。総合1位とのタイム差はまだそれほど大きくないので、トップ争いに加われるよう頑張りたい」

 また、ラッピも終盤の2ステージで連続して2番手タイムを奪うなどペースを上げてきており、5位に順位を上げている。

「今朝のステージではかなり苦戦したが、それでも何とか問題なく走り切った。午後の再走ステージでは路面がさらに悪くなる事が予想され、クルマが沈み込んだ際に岩で下まわりを打つ可能性が高まると考え、サスペンションのセッティングを硬めに変更したが、その結果、タイヤのグリップ力が落ち、長いステージではかなりのタイムを失ってしまったんだ。そこで移動区間のリエゾンでいくつか調整を加えたら、グリップ力が回復した。今日の終盤の良い流れを明日も保ち、安定したタイムを記録し続けられるように走りたいね。まだまだ長い距離が残っているよ」