WRC2018/09/11

トヨタ、WRCドライバー育成に向け勝田貴元を選出

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムは、WRCドライバー育成に向けプログラムを強化、2019年の育成ドライバーとして勝田貴元を選出したことを発表、GAZOO Racingカンパニーの友山茂樹プレジデントは、日本人ドライバーがヤリスWRCで世界の道を走る姿を見たいという声に応えるために新しいステップを踏み出すことになったと語った。

 ラリーチャレンジプログラムは2015年に開始し、トミ・マキネン・レーシングの協力のもと、これまで約3年半にわたって活動してきたが、2019年はWRC2への参戦を中心に行い、WRCへの参戦を見据え、より多くの経験を得る機会を提供し、更なる成長につなげるためにプログラムの強化を決定した。

 次のステップへ移行するにあたり、育成ドライバーは勝田貴元に絞られることになった。勝田の来季の参戦プログラムは決定次第発表されるとのことだが、まずは10月に行われるFIA世界ラリー選手権第12戦ラリー・デ・エスパーニャのWRC2に追加参戦するという。

 友山茂樹プレジデントは、次のようにコメントしている。

「このプログラムを通し、選手たちが大きく成長してきたことを嬉しく思っています。また、これまで彼らへの熱心な指導とサポートを行ってくれた講師陣やチームにとても感謝しています。世界に挑戦したいという夢を持った若者を応援しようとこのプログラムを始めました。その後トヨタがWRCに挑戦するようになり、我々だけでなく、応援いただいているファンの皆様からも、日本人ドライバーがヤリスWRCで世界の道を走る姿を見たいという声を多くいただきました。その夢に向かって、また一つ新しいステップを踏み出すこととなり、大変嬉しく思います」

 ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)は次のように述べている。

「プログラムを通して選手たちが成し遂げた成長にとても満足しています。勝田、新井、共により高いレベルに到達できる可能性を持っており、ドライバー選考は簡単ではありませんでした。しかし、プログラムとしては、WRCという目標に向けて一人のドライバーに集中したいという考えです。プログラム開始当初、勝田はラリー経験ほぼゼロからのスタートでしたが、そこから著しい成長を遂げました。新井ももちろん、さらなる成長に必要なスキルを備えており、これまでの達成に誇りを持って前に進んでほしいと思っています。また、足立はヤルッコ・ニカラと共に戦い、素晴らしい成果を挙げました。実力あるニカラのコドライバーを務めることは容易なことではありません。欧州でのラリー参戦を通して得た経験と成長は大いに誇れるものだと思います」