WRC2022/02/28

トヨタスタイルの「改善」を実践してくれた

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングのチームオーナーでもあるトヨタ自動車の豊田章男社長は、トヨタGRヤリスRally1でのWRC初勝利を喜ぶとともにカッレ・ロヴァンペラとコドライバーのヨンネ・ハルトゥーネンを祝福するメッセージを発表している。

 優勝争いを演じていたエルフィン・エヴァンスがクラッシュのあとハイブリッドユニットの安全性を示すグリーンシグナルが点灯しないことから安全上の理由でリタイアとなるなど、トヨタにとっては波乱の最終日となっていた。

 ハイブリッドのブーストパワーが使用できない問題はロヴァンペラにも発生してたが、彼は昨年の第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ以来となるWRC 3勝目をあげ、GR ヤリスRally1に最初の勝利をもたらし、ドライバーズ選手権をリードすることになった。

 また、2018年以来のチーム復帰を果たしたエサペッカ・ラッピが総合3位でフィニッシュしたことにより、トヨタはマニュファクチャラー選手権で首位に立ち、選手権2位のライバルに24ポイントのリードを築くことになった。

 豊田社長は、年々、スノーラリーでの結果を上げてついに優勝を果たしたロヴァンペラが、トヨタ式の「改善」を実践してくれたと祝福した。(以下、メッセージ全文)

カッレ、ヨンネ優勝おめでとう!

スノーラリーでは一昨年が3位、昨年が2位、そして今回の優勝。毎年、改善を重ねていく、まさにトヨタスタイルを実践してくれました。どんどんトヨタらしくなっていく2人を嬉しく思います(笑)。そしてGR YARIS Rally1にWRC初勝利をもたらしてくれたことにも感謝します。ありがとう! 初日は一番手出走で雪かき役を任され、大変なラリーだったと思いますが、小さな頃から雪道を走っていたカッレだからこその頼もしい走りでした。

エサペッカとヤンネは3年ぶりのトヨタでしたね。おかえりなさい! そして3位表彰台おめでとう! 二人はやっぱりトヨタのスーツが似合ってると私は思います。他のチームも経験したからこそ見えてくるトヨタの良さや悪さがあるはずです。また色々、教えてください。一緒にもっといいチームにしていきましょう。

フィンランドを本拠とする我々にとって、雪道はホームコースのようなものでした。しかし、昨年は勝つことができず、我々は、とても悔しい思いをしました。チームは、その悔しさを晴らすために、モンテカルロの後すぐに動き出し、雪上のテスト回数を増やし、今回のラリーに臨んでくれました。そのおかげでの勝利です。みんなの努力に感謝します。

しかし、ラリーの道はやはり厳しく、カッレとエルフィンのハイブリッドシステムにトラブルを生じさせてしまいました。2人のドライバーには申し訳なく思います。 ただ、我々は厳しい寒さという環境でも、どうすればハイブリッドシステムを改善していけるかという大切なデータを得ることができました。この経験を来年の勝利だけでなく、サプライヤーにデータを提供するなどして、カーボンニュートラルを目指しながら、モータースポーツを続けていくために有効活用していければと思います。

今シーズンは、まだあと11戦あります。まずは次戦クロアチアまで、チームのみんなは少しでも休みを取ってください。健康第一でいきましょう。そしてファンの皆様、最終戦のラリージャパンまで今シーズンも引き続き、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamへの応援をよろしくお願いいたします。

追伸 ヤリ-マティへ
スペシャルステージを見に行った際、沢山のファンに囲まれ快く写真撮影などに対応してくれていたと聞きました。雪山でも笑顔でファンと接しているヤリ-マティの姿が目に浮かびます。トヨタファンを増やそうとファンサービスを欠かさない“6人目のスタードライバー”ですね。そんな姿がチームの良い雰囲気にも間違いなく繋がっています。これからもヤリ-マティらしい丁寧なファンサービスとチームづくりをよろしく頼みます。