ラリー・オーストラリアのシェイクダウンが木曜日にコフスハーバー近郊で行なわれ、トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナックが2番手タイム、ヤリ-マティ・ラトバラが7番手タイム、エサペッカ・ラッピが8番手タイムを記録して、明日からの競技初日デイ1に向けて、ヤリスWRCの最終確認および調整作業を完了した。
12ポイント差をつけてマニュファクチャラー選手権をリードしているトヨタ、そしてドライバー選手権3位につけているタナクにとって、いよいよタイトル決定戦のスタートが迫ってきた。規則によりヨーロッパ以外の地域での事前テストは禁じられているため、15日午前中のシェイクダウンがオーストラリアでの今年最初の走行となったが、コフスハーバーの北側に設定された全長5.07kmのシェイクダウンコースは、その一部がレグ1およびレグ3のステージと重なっているため、クルマの最終セッティングを確認するための絶好の機会となった。
チーフ・エンジニアのトム・ファウラーは、3人のドライバーがいずれも4回の走行を行ない、明日からの競技に向けて最後の準備を無事に終えたことに満足したようだが、明日からの天候の変化によってチームの戦略にももうひとつの不確定な要素ができたと述べている。
「他のラリーと同じように、シェイクダウンではシステムチェックを実施した。このラリーのようにヨーロッパから遠く離れたイベントでは、輸送のためにクルマを分解する必要があるため、システムチェックは特に重要な作業となる。シェイクダウンで我々のドライバーは良いタイムを刻んだが、ライバルに大きな差をつけたわけではない。ここ数戦、グラベルでのパフォーマンスはかなり上がっており、そこで得られたデータを基にこのラリーに最適と思われるセットアップを施した。そして、シェイクダウンではそれが上手く機能している事が確認できた。現時点での懸案事項は天候の変化で、ラリー期間中に不安定な天気の影響を受けるおそれがあり、それが我々の戦略およびタイヤ選択にどう影響するのか熟考する必要がある」
シェイクダウンを2番手で終えたタナクは、本番にむけたいい準備ができたことをよろこんでいる。
「良い内容のシェイクダウンだった。一部が本番のステージと重なるなど、このラリーを代表するコースで行なわれたため、クルマに対する理解をさらに深め、いくつかセッティングを決める事ができた。変化を確認するために何度かセッティングを変更したが、全体的にとても良いフィーリングだよ。天気になるのを楽しみにしているが、今年は雨が降る可能性もあり、少々複雑なコンディションになりそうだね。状況は変わりやすく予想は難しいが、リスクを背負ってでも、自分達の重要な仕事を成し遂げたいと思う」
ラトバラは、雨よって難しいコンディションになれば戦いはさらに厳しくなることを警戒していた。
「全体的にとても良いシェイクダウンとなり、最初の走行時からクルマに良いフィーリングを感じました。その後いくつかセッティングを試し、最後の走行で満足できるセットアップに到達できた。最後はヘアピンコーナーでミスをしてタイムを失ったが、クルマは良い仕上がりにある。このラリーはデイごとにステージのキャラクターが異なるが、ステージは素晴らしく、大好きなイベントのひとつだ。ただし、今年は多くのステージが逆向きの走行となるためいつもと違う感じがする。雨が降ればさらに難しくなるため、例年よりも厳しい戦いになるとだろうね」
トヨタでの最後のラリーを迎えるラッピは、天候の変化に注意して臨みたいと語った。
「シェイクダウンでのクルマの仕上がりはすべて順調だった。いくつか小さな調整を試しましたが、あまり効果がなかったので以前のセッティングに戻した。今週末は天候の変化が大きな鍵を握るだろうね。昨年、このラリーでウェット・コンディションを経験したが、非常に滑りやすく、ドライバーにとってはコントロールがとても難しい路面となったので注意が必要だね」