WRC2018/02/18

トヨタ勢、困難な走行条件に順位挽回ならず

(c)Toyota

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 ラリー・スウェーデンの競技3日目が行われ、トヨタGAZOOレーシングWRTのエサペッカ・ラッピは総合6位、ヤリ-マティ・ラトバラが総合7位と、それぞれ前日よりもひとつ順位を上げたが、オット・タナクは総合9位にとどまっている。不利な出走順に阻まれてポジションを挽回することはかなわず、悔しい一日となってしまった。

 前日、不利な出走順により大幅にタイムロスしたタナクは、コンディションが比較的良かった午前中のステージで、ベストタイムを2回、2番手のタイムを1回記録、ラトバラも2、3番手のタイムを刻み、本来のパフォーマンスを発揮したが、午後のループでは前日と同じように直前にヒストリックカーの走行があったためコンディションが悪化。その後、WRカーの走行が増えるほど路面の状態は改善されていったため、出走順が後方の選手が有利な状況となった。

 そのため、出走順が早めだったタナクとラトバラはタイムが伸びず、ラトバラは前日よりもひとつ上の総合7位で土曜日を走りきったが、タナクはSS13でスロー走行しているクリス・ミークを抜く際に接触、スノーバンクでスタックしたため大きくタイムロスすることになった。しかし、その後はSS15でこのラリーで5つ目のトップタイムをマークするなど、速さを示しました。

 また、WRカーでの初のスウェーデンに挑むラッピは、安定して5番手前後のタイムを刻み続け、SS10で3番手タイムを、SS16では2番手タイムを記録。前日よりもひとつ順位を上げ、総合6位で土曜日を走破した。

 チーム代表のトミ・マキネンは、路面コンディションの影響で選手権で上位につけるドライバーたちが不利な戦いを強いられているのは残念だと一日をふり返った。

「路面コンディションの影響により、今日も本当のパフォーマンスを発揮することができなかった。午前中は良かったが、午後の再走SSが始まる前にヒストリックカーの走行があるため、午後はコンディションが変わるだろうと予想していたが、実際その通りになってしまった。大量の積雪と、その他いくつかの要因によって、選手権で上位につけるドライバーたちが不利な戦いを強いられているのは残念なことだ。とても不運な状況だと言わざるを得ない。しかし、我々の選手は全員良い走りをしていると思う。エサペッカは安定して良いタイムを記録し、順位をさらに上げることも可能だ。また、路面のコンディションが良ければ、最終SSのパワーステージで我々は多くのポイントを獲得することもできるはずだ」

ヤリ-マティ・ラトバラ:「朝はうまく行っていた。良い感じで走ることができたし、楽しんでドライブすることができた。しかし、午後はクルマが思うように動かなかった。フロントのデファレンシャルが正確に作動せず多くのタイムを失うことになった。しかし、サービスでトランスミッションを交換したので、明日は大丈夫だと思う。きっと自信を持ってステージに臨むことができるはずなので、パワーステージではポイントを獲得するチャンスもあるはずだ」

オット・タナク:「全体的にペースはとても良く、昨日よりも楽しんで走ることができた。午前中は一貫して十分なグリップが感じられ、このラリー本来のコースコンディションで走ることができた。クルマはあのような路面では完璧で、とても良いフィーリングだった。しかし、午後は予想通りトリッキーなコンディションとなり、昨日と似たような状況だったが、いくつかのクルマが我々の前に走っていたので、多少のラインが刻まれていた。明日は自分たちのベストを尽くし、パワーステージで何ができるのかを考えるつもりだ」

エサペッカ・ラッピ:「良い1日だった。昨日と同じようなペースを保ち、大部分のステージで5位以内のタイムを出せるようにコントロールしたが、それがうまく行き非常に安定した走りをできた。サービスではクルマに少し変更を施しましたが、それが奏功し轍(わだち)が刻まれた道でも安定して走ることができた。1台、2台とクルマが走るごとに路面はクリーンになっていったので、自分としてはあれ以上良いタイムを出すことはできなかったと思う。オストベルグとの5位争いが続いているが、もちろん明日は彼を抜くつもりで行くよ」