WRC2018/02/17

トヨタ連覇への期待、雪に阻まれる

(c)Toyota

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 開幕戦をWポディウムで発進したトヨタGAZOOレーシングWRTは2年連続のスウェーデン勝利に期待がかかっていたものの、大雪による予想外のコンディションに躍進を阻まれ、ヤリ-マティ・ラトバラが初日8位、オット・タナクが初日9位という想像もしないポジションに沈むことになった。

 スウェーデンの金曜日は、朝のループが全体的に新雪に覆われ、出走順が早い、選手権ランキング上位のドライバーがコース上の「雪かき役」を担うことになり、大幅なタイムロスを余儀なくされることになった。

 SS2を2番手からスタートしたタナクはそれでもベストタイムを記録し首位の座を守ったが、以降のステージでは新雪の影響を大きく受け、3番手スタートのラトバラと共に遅れをとり困難な1日を送ることになり、タナクは9位、ラトバラは8位という想像もしない遅れを喫している。

 チーム代表のトミ・マキネンは、このようなスウェーデンの展開は初めて見たと語った。

「最初のデイが、このような思いもよらぬ展開になったのを初めて見た。今日のステージのタイムを見ただけでは、前戦のラリー・モンテカルロで一体誰が活躍し、誰がそうでなかったのかきっと分からないだろう。現在のラリーカーは以前よりも幅が広いスノータイヤを装着するため、コースクリーニングを担うことによるタイムロスは昔よりも大きくなっている。オット(・タナク)やヤリ-マティ(・ラトバラ)など、現在選手権の上位にいる選手たちにとっては、フラストレーションが溜まる1日だったはずだ」

「エサペッカ(・ラッピ)も明日トップを狙える良いポジションにつけていたが、残念ながら小さなミスで遅れをとっている。それでも、このような状況で彼は良い走りをし、自信を示している。明日は上位につけている選手の出走順が今日とは逆で後方になるため、彼らにとってはより有利な展開になりうるし、ラリーはまだ2日間残っているので、何かが起こる可能性はある」

 ラトバラは事前のテストでヤリスWRCに好感触を得ていただけに、厳しい一日になったと肩を落とすことになった。

「本当に厳しい1日だった。まず、朝のステージではコースが新雪に覆われ、午後の再走ステージでは、直前に走ったヒストリックラリーカーによって幅の狭い走行ラインが刻まれていた。そのラインを外れると非常に滑りやすいため、トレースするより他になかったんだ。そのため自分の力をフルに発揮して攻めることができなかった。仕方ないが、それでもクルマにはとても満足しているので、明日はよりポジティブな状況になることを期待している」とラトバラは語っている。

 また、タナクも気持ちを切り替えて、可能なかぎり多くのポイントを目指すつもりだ。

「コース上には大量の雪があり、タイヤのグリップがまったく感じられない状態だった。とにかく、今日は非常に難しいロードコンディションだった。もし明日、走行順が後方になったなら良かったが、残念ながらそうではなく今日と同じような早い走行順なので、きっと苦労するだろう。しかし、ラリーを最後まで走り抜き、できるだけ多くのポイントを得られるようにベストを尽くすつもりだ」

 また、チームメイトたちより出走順が7番手と後方だったラッピはSS5では総合2位につけていたが、SS6のジャンクションでミス、クルマのフロント部をスノーバンクに当てたことでエアフィルターに大量の雪が詰まり、エンジンのパワーが低下に苦しみ、総合7位で金曜日を終えている。

「非常にトリッキーなコンディションだった。午後のステージでは轍(わだち)が深く刻まれ、滑りやすい雪が積もっていたためミスをしやすく1回目の走行時よりも大変だった。SS6でミスしたため30秒程度をロスしてしまったが、ラリーはまだ2日間ある。自分自身のスピードに少し驚いたくらい、今日はポジティブに感じられることも多くあった。だから、明日もこの良いフィーリングを保ち、楽しんで走りたいと思う」