WRC2017/05/01

ヌーヴィル、信じられないほどドキドキした勝利

(c)Hyundai

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 最終ステージでの息詰まる攻防を制し、わずか0.7秒差でラリー・アルゼンチンを制することになったティエリー・ヌーヴィルは、これほどまでにハラハラした勝利は初めてだったと語った。

 ラリー・アルゼンチンは初日からエルフィン・エヴァンスが圧倒的な速さをみせてリードしたが、ヌーヴィルはダンパートラブルとパンクによって一時1分近く遅れることになった。だが、アルゼンチンのラフなコンディションのなかで今度はエヴァンスにいくつものトラブルが襲い掛かり、最終ステージをスタートする時点でエヴァンスのリードはわずか0.6秒になっていた。

 すべてを出し尽くしてパワーステージのゴール地点でエヴァンスの到着を待っていたヌーヴィルは、0.7秒差で勝利が決まった瞬間、歓喜の雄叫びを上げた。

「本当にハラハラする週末だった。僕たちは勝利が難しいことを知っていたが、やり遂げることができた。最後の数分がこんなにドキドキした勝利をこれまで経験したことないよ」とヌーヴィルは語った。

「最終ステージの終わりで待っていた時、僕たちは最初のスプリットタイムを見て、途方に暮れた。エルフィンが僕たちより2秒あまりも速かったからだ。何もミスが無ければ、彼はこの週末の頑張りに相応しい勝利を手にしていただろうが、次のスプリットタイムがTVに表示され、それは僕たちのタイムより1.3秒遅く、そこから巻き返すことは難しいと分かった。僕たちが彼のタイムを0.7秒上回って勝利したことを実際に知った時は、素晴らしい気分だったよ」

 ヌーヴィルは開幕戦モンテカルロから2戦続けてラリーをリードしながらクラッシュして選手権では大きく遅れをとったが、コルシカに続いてアルゼンチンでの勝利によって選手権リーダーのセバスチャン・オジエに18ポイント差まで迫ることになった。

「これまで僕はいくつかのミスを犯したが、いまはマシンへの自信もあるので緊張することなく、自分のレースをどうやって管理するかを正確に知っている。僕たちはエルフィンに最大で1分遅れたが、そこから追いつくことができた。コンディションが荒く、多くの気力を必要としたが、ここで僕が達成できたことに本当に満足している」