WRC2021/03/26

ヌーヴィルとタナクもi20クーペWRCでサンレモへ

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツは、次戦のクロアチア・ラリーの準備のために4月10〜11日に行われるサンレモ・ラリーにWRCオフィシャルチームのフルメンバーで臨む。

 すでにヒュンダイ・ジュニア・ドライバーのピエール-ルイ・ルーベが2Cコンペティション・チームからヒュンダイi20クーペWRCで参戦することを発表しているが、サンレモ・ラリー主催者は、ヒュンダイ・モータースポーツのオフィシャルドライバーであるティエリー・ヌーヴィルとオイット・タナクもi20クーペWRCで参戦するほか、クロアチアでサードドライバーに起用されることが決まっているクレイグ・ブリーンとともにヒュンダイWRC2オフィシャルチームのオリヴァー・ソルベルグがヒュンダイi20 R5で出場することを明らかにした。

 サンレモ・ラリーは2003年まで世界ラリー選手権のイタリア・ラウンドの舞台だった。サンレモ旧駅前広場におかれたサービスにマルティニ・レーシングのラリーカーが居並ぶ壮観な景色は、かつてのサンレモ・ラリーのハイライトの一つだった。ヒュンダイ・モータースポーツ代表のアンドレア・アダモはかつて、ランチア・ワークスを率いて無敵の6連覇を成し遂げたアバルトにエンジニアとして在籍していたことはよく知られているが、今年、彼がチームのスーパースターたちとWRカーがサンレモに送り込むのはただのノスタルジーのためだけではない。リグーリア・アルプスのターマックステージで、チームのドライバーたちにクロアチア・ラリーのためのトレーニングをしてもらうためだ。

 ヒュンダイは昨シーズンもイタリアで開催されているラリー・ディ・アルバやラリー・ディ・ローマ・カピターレに参戦して実戦で準備を行っているが、今年もアークティック・ラリー・フィンランドの準備をエストニアで行われたオテパー・ウィンター・ラリーで行い、それを本番での結果につなげている。

 ヌーヴィルとタナクにとって、サンレモ・ラリーでは2021年に初めてターマック仕様のi20クーペWRCをドライブすることとなり、2週間後のクロアチア・ラリーにむけてターマックのペースをつかむ絶好の機会となるだろう。

 タナクはサンレモに出場した経験はないが、ヌーヴィルは2011年のサンレモ・ラリーでは、プジョー207 S2000を駆り、アンドレアス・ミケルセンに1.5秒という僅差で勝利を飾っている。ヌーヴィルはすでに今月初めに行われたイタリア選手権開幕戦のイル・チョッコ・ラリーにヒュンダイi20 R5で出場し、マルテイン・ウィダーゲとの新コンビでの初勝利を飾って、ターマックの準備を開始している。

 また、ブリーンもプジョー・ラリー・アカデミーのプジョー207 S2000を駆って出場した経験をもっている。ヒュンダイi20 R5で出場したイル・チョッコ・ラリーでは速さを見せたものの、リタイアに終わっており、ふたたびi20 R5で出場するサンレモでペースをつかむことを目指す。

 イタリア選手権の第2戦として開催されるサンレモ・ラリーでは、WRCのエントラントのために特別なイベント、サンレモWRC+を準備、4月11日に7SS/およそ88kmのステージが用意されている。