4月24日から27日まで開催されるラリー・イスラス・カナリアスで、今季からWRCの公式サプライヤーとなったハンコックのターマックラリーに向けたタイヤラインナップのパフォーマンスが初めて試される。
ラリー・イスラス・カナリアスは、1977年以来、FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)とインターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ(IRC)を開催しており、数十年にわたるラリーの伝統が息づくものの、WRCとしては初めての開催となるため誰にとっても未知数のチャレンジとなる。
ラリーはカナリア諸島の中心地であり、州都ラス・パルマスがあるグラン・カナリア島を舞台に、ドラマチックな火山峰と風光明媚な海岸線が印象的な景色のなかで行われる。
グラン・カナリア島のターマックステージは、高低差もあり、狭く曲がりくねった路面はグリップも大きいが、タイヤにとっては耐久性やグリップ力の持続も試される。高い路面温度はタイヤの摩耗をさらに加速させるため、戦略的な複雑さが増し、タイヤマネージメントがラリーのパフォーマンスを左右する重要な要素となっている。また、カナリアスは不安定な天候として知られており、突然の雨によってウェットコンディションに変化するときや、あるいは雨上がりの路面が急速に乾き始めるときには、タイヤチョイスが非常に重要になりそうだ。
ハンコックタイヤは、このイベントにターマック・ラリーのラインナップとしてドライタイヤのヴェンタスZ215(写真左)とレインタイヤのヴェンタスZ210(写真右)を供給する。
ヴェンタスZ215は、ドライ路面でのコーナリング安定性とハンドリング精度を最大限に高めるよう設計されており、高い路面温度でも耐久性を発揮するハードタイヤの「Z215 WRC3」がカナリアスではファースト・チョイスのメインタイヤとなり、ソフトタイヤの「Z215 WRC7」がオプションとして投入される。
ウェットのヴェンタスZ210はウェットターマックや悪天候下で優れたグリップと効率的な排水性を発揮するよう設計されており、カナリアスで初めて登場する。
Rally1カーの各ドライバーには、ハードが28本、ソフトが18本、ウェットが12本用意されており、そのうち28本をシェイクダウンと本番で使用することが可能となる。また、各ドライバーは事前申告でオプションのソフトを8本から12本まで増やし、その場合はメインタイヤのハードの割り当てを4本減すことができる。