WRC2017/08/28

ハンニネン、チーム残留を気迫の走りでアピール

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racingのユホ・ハンニネンは、ラリー・ドイッチュランドで2つのベストタイムを奪ってチーム最上位となる4位でフィニッシュ、シートの危機の噂が囁かれるなかでチーム残留にむけて説得力のある速さをみせた。

 トヨタ・ヤリスWRCの最初の開発ドライバーとしてプロジェクトに深く関わってきたハンニネンは、開幕からしばらくはクラッシュが続き、チームメイトの影に隠れることが多かったが、アルゼンチン以降は安定した速さをみせて、母国ラウンドのラリー・フィンランドではキャリア初の表彰台を獲得、ラリー・ドイッチュランドでも42kmというもっとも困難なステージとなったパンツァープラッテでも賢明なタイヤチョイスによってベストタイムを奪ってみせた。

 トヨタは来季のために体制強化の方針を打ち出しており、オット・タナクらの新加入も噂されている。新人のエサペッカ・ラッピが初優勝を挙げるなか、ハンニネンがシートを失う可能性が高いとの噂も囁かれてきた。しかし、彼はこのままあっさりとチームを去る考えはないことを、エルフィン・エヴァンスから4位を奪いかえす気迫のこもった走りによってアピールすることになった。

「ラリー序盤に大きく遅れてしまったが、それ以降は良い戦いができた。4位という結果には本当に満足しているよ」とハンニネンは語った。

「金曜日の朝、かなり滑りやすくなったコーナーでコースを外れてブドウ畑の中に突っ込み、クルマのフロント部にダメージを受けてしまった。雨が強くなった午後のステージでもミスをしやすいとても難しいコースでやや慎重に走りすぎたかもしれないが、クルマが本当に良かったので土曜日のパンツァープラッテのステージでもいい走りをすることができた」

「あのステージでファステストタイムだったと知り本当に嬉しかったし、ダンパーに問題を抱えることはあったが、クルマのフィーリングも素晴らしかったので最終日もアタックを楽しみ、エルフィン・エヴァンスとの勝負にも勝つことができた。今回の結果にはとても満足しているし、後半はとてもポジティブなラリーが続いている。今シーズンの前半と比べると、特にそうだね!」