2018年アメリカ・ラリー・アソシエーション選手権シリーズ(ARA)開幕戦オレゴン・トレイル・ラリーでスバル・ラリー・チームUSAのデビッド・ヒギンズ(スバルWRX STI)が優勝を飾った。この勝利は彼にとって過去8年で7度目のオレゴン・トレイル・ラリーでの勝利となった。
4月20〜22日にコロンビア川渓谷で行われたオレゴン・トレイル・ラリーでヒギンズとクレイグ・ドリューのペアは金曜日の夜のオープニングSSからラリーをリードすることになる。ヒギンズは僅か2.6秒という僅差リードで2日目をスタートし、1番手の出走順で道掃き役となったが、リードを維持する作業に集中した。しかし、彼の後方で激しく争っていたクリス・アトキンソン(スバルWRX STI)と2位につけていたバリー・マッケンナ(スバルWRX STI)にドラマが発生する。
チームメイトであり最大のライバルになると見られていたアトキンソンは、ひさしぶりにラリーにもかかわらず金曜夜のSS3ではベストタイムを奪ってみせる速さをみせたが、SS7オーク・フラットでアンダーフードから出火した。火はすぐに消えたが、アトキンソンはリタイアとなった。
さらにマッケンナもメカニカルトラブルで失速するなか、ヒギンズはSS7のオーク・フラットの1回目の走行では牛の群れと遭遇してあわやラリーを終える可能性もあったが、難を乗り切ったあとは順調にリードを広げて後続におよそ1分あまりの差をつけて最終日を迎えることになった。
ヒギンズは最終日、マッケンナがトラブルで遅れるなかで悠々とリードを広げ、2位に浮上したジェフ・シーホン(スバルWRX STI)に6分3秒差をつけて独走で開幕戦勝利を飾ることになった。
「またスバルでここで優勝できたことをうれしく思う」とヒギンズはポディウムで語った。「今日はサンデードライブでリードを管理するだけだった。スバルWRX STIは完璧だったよ」
1990年代に活躍したフォード・エスコート・コスワースRS 4x4で出場したケン・ブロックとアレックス・ジェルソミーノは、土曜日のマリーヒル・ループスのステージでエンジントラブルに悩まされて後退、4位となったが、彼らは最終日に逆転で3位でフィニッシュしている。
「25年前のマシンだけあっていくつかの問題はあったが、表彰台でフィニッシュできてうれしいよ。ゴールまで残り2つとなったステージでフロントサスペンションのパーツを壊してしまったが、どうにか最高の結果を得られたよ。次戦は数ヶ月先のニューイングランド・フォレスト・ラリーになる。ふたたびこのマシンで走るのが楽しみだ」とブロックは語っている。
また、土曜日に火災によってリタイアとなったアトキンソンは、幸運なことにオフシーズンのルール変更により、ARAイベントでもスーパーラリールールが適用可能となったため、優勝争いからは外れたものの、スバル・ラリークロスのスターは、タイムペナルティを科された上で、日曜日のステージに復帰、最終日の8ステージのうち6ステージで最速タイムを奪って、およそ2年ぶりのステージラリーで速さを証明することになった。
次戦は5月19〜20日にアメリカ太平洋岸北西部で開催されるオリンパス・ラリーとなる。