WRC2020/10/21

ヒュンダイ、新型i20 N Rally2を発表

(c)Hyundai

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 ヒュンダイ・モータースポーツは、プライベーターチームとドライバーを対象とした全く新しいラリーカー、i20 N Rally2を発表した。ホモロゲーションは2021年夏に予定されている。

 i20 N Rally2は、2015年末にヒュンダイが初めてカスタマーレーシングの領域に投入したi20 R5の後継マシンとなり、過去5年間に同社のカスタマーレーシング部門が得た経験を基に、全面的な改良が施されている。

 i20 N Rally2とベースとなったのは、Nブランドのハイパフォーマンスを初めてi20シリーズに注いだ新型ロードゴーイングi20 Nであり、サーキットでの走行性能とモータースポーツから生まれたパフォーマンスを兼ね備えたハッチバックを実現したという。

 i20 N Rally2は、ヒュンダイの新しいアイデンティティ「Sensuous Sportiness(官能的なスポーティさ)」の一部であるロードカーのダイナミックな外観をベースに、モータースポーツの世界にインスパイアされた要素をいくつか取り入れている。

 i20 N Rally2に搭載される5速シーケンシャルギアボックスはi20 R5から継承されたものだが、1.6リッター・ターボエンジンを含むその他のほぼすべてのパーツは、2020年1月に開始されたデザインプロセスの結果として、まったく新しいものとなっている。この作業は、i20 R5プロジェクトでの5年間の経験を考慮して、カスタマーレーシング部門の専属デザイナーとエンジニアのグループによって完成したものだ。

 カスタマーレーシング部門の成長はi20 R5の開発にも反映されており、開発エンジニアの絶え間ない努力により、ここ数シーズン、オリジナルマシンに数多くの改良が加えられ、ハンドリングと性能が向上しており、今回発表されたi20 N Rally2では、これらの改良を継承しつつ、シャシーを一新したことで、ほぼすべての面で大きな進歩を遂げているという。

 サスペンションとダンパーも一新されており、あらゆる路面でのドライバーに優しいハンドリングを実現している。Rally2は、数々の国内選手権や地域選手権、国際的なWRC2、WRC3といったカテゴリーの基礎となるマシンであり、プロのラリードライバーから純粋にラリーを楽しむプライベーターまで、多くの人々に選ばれることが期待されているという。

 新しいi20 N Rally2は、2016年後半にデビューして以来、スペイン、ポルトガル、ポーランドでの国内タイトルを含む数々のタイトルを顧客に獲得してきたi20 R5の成功を継続することを目指しており、これまでi20 R5を走らせてきたチームは、今までと同様の高いレベルのサポートを受けることができるため、ニューマシンにスイッチしても開発における支障はないとヒュンダイは説明している。

 i20 N Rally2のための大規模なテストプログラムは今月下旬に開始され、カスタマーへの最初の納入と最終的なホモロゲーションは2021年夏に予定されている。

 ヒュンダイ・モータースポーツ・チーム代表のアンドレア・アダモ氏は次のように述べている。

「ヒュンダイi20 R5はヒュンダイ・モータースポーツにおけるカスタマー・レーシング部門の最初の車であり、新しいi20 N Rally2は、同部門の設立以来5年間で我々がどれだけ進歩してきたかを示すものとなる。新しいマシンのすべての領域は、我々のデザイナーとエンジニアの専門チームが完成させたデザインワークのおかげで、i20 R5よりも改善されている。これからは、性能と信頼性を向上させるために各部のデザインをさらに進化させ、カスタマーたちが来年、i20 N Rally2で最高の結果を出せるようなハンドリングを追求していきたい」