WRC2021/12/01

ヒュンダイi20 N Rally1の最終形態登場?

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツは、2022年の世界ラリー選手権に投入するi20 N Rally1の最終形態となると思われるマシンをラリー・モンテカルロに向けたテストで公開した。

 ヒュンダイ・チーム代表のアンドレア・アダモは、ACIラリー・モンツァのあと、これまでチームがテストを行ってきたi20 N Rally1がプロトタイプマシンにすぎないものだったと明かすとともに、それとはほとんど共通するものをもたないリアルバージョンのテストを間もなく開始するとしてきた。

 ヒュンダイは今週の日曜から、フランスのヴォージュ地方において来年のラリー・モンテカルロにむけたテストを開始、すでに先週から南フランスでのテストを開始したMスポーツ・フォードとトヨタはドライとウェットのコンディションのなかでテストを行ったが、ヒュンダイはパウダースノーが厚く積もった冬らしいコンディションの中で2022年にむけて始動、オイット・タナックが真っ白なボディをもつ新しいi20 N Rally1を初めて公道でデビューさせた。
 
 新しいi20 N Rally1は、これまでのプロトタイプとはとくにリヤウイングの造形が異なったものとなっており、サイドウィングレットをもつデザインへと変更されている。リヤウイングについては、トヨタやMスポーツも上端がボディのルーフ形状のシルエットをもたないフラットなデザインへと変更したことから、これまでのWRカーとは技術規定が変更になり、ボックス形状で最大幅や最大高の寸法を定める方式へと変わったものと考えられている。

 リヤバンパーはバッテリーシステム冷却用のファンなどRally1カーでは新たな装備が追加となるため、より長いオーバーハングが許されることになっている。ヒュンダイの新しいマシンもダウンフォースを求めてより大型化したバンパーをもち、それにあわせてリヤウイングも後退して装着されている。

 フロントフェンダーのデザインも変更されており、フェンダー上部は従来は内側に向かって傾斜していたものが、完全なフラットとなり、ほかのチームのRally1カーと同様にフェンダーサイドのバーチカルフィンも廃されている。

 ハイブリッドシステム冷却のためのエアを取り込むためのインテークは、リヤのクオーターウィンドウを薄くカバーする形状には変更ないが、開口部は上部の方が広くなっていることも目新しい。