WRC2022/08/23

フェルスタッペン、WRCにはF1の興奮が1日8回ある

(c)RedBull Content Pool

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 元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、イープル・ラリー・ベルギーでは「吐きそうになった」ほどのコースオフを経験しながらもクラス28位での完走を果たし、WRCデビュー戦に満足していると語っている。

 現F1ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンの父であり、過去に自身も1990年代から2000年代初頭にかけてF1で8シーズンを過ごした経験をもつヨスは、先週末のイープル・ラリーにDGスポーツから供給されたシトロエンC3 Rally2を駆って出場した。

 このマシンでベルギー選手権などで4戦を走ってイープルに臨んだ50歳のフェルスタッペンは、WRC2にはノミネートしていなかったが、金曜日のSS4ランゲマルク・ステージではWRC2のトップを争うドライバーを相手にクラス4番手タイムを記録、初日をRC2クラス15位、総合24位につけることになった。

 フェルスタッペンは土曜日になると安定したペースを刻み、朝のループを終えてRC2クラスの13番手、総合20位につけることになった。しかしその直後、彼はSS13レニンゲ・ステージでコースをオフしてしまうことになる。幸いにもマシンはほとんど無傷だったが、ディッチからの脱出は不可能だったため、彼はそこでデイリタイアとなってしまった。

「そこまでうまくいっていたのに残念だったね」とフェルスタッペンは語った。

「この日は、基本的に大きな出来事はなく行っていたんだけど、曲がるのが少し遅かったようで、外側のタイヤがグラベルに乗り上げてしまいマシンがスライドしてしまったんだ」

「とても低速ではあったがどうしようもなく、ディッチに滑り落ちてしまい、その日はそれでおしまいとなった。典型的なイープルの罠にはまったんだ」

 フェルスタッペンとコドライバーのハーム・ファン・コッペンは日曜日の朝に競技に復帰し、残りの4ステージを走行し、RC2クラスで15番手タイムを2回、16番手タイムを2回出して、クラス28伊、総合60位でのフィニッシュを迎えることになった。

「今日はすべてがうまくいった。僕の知識と経験が乏しいことも影響したが、だからこそ、僕らはこのラリーに参加し、学び、経験を積んでいるんだ。僕もコドライバーもイープルに参加するのは初めてだったんだ」

「このラリーの難しさについては聞いていたが、土曜日は意表を突かれてしまった。コースオフは残念だった。オエッとなりそうだったが、それがなければ、本当に良い結果になっていたはずだ。でも、最終日も走ることができたし、結果も満足のいくものだった。多くのことを学び、フィニッシュまでたどり着いたことを誇りに思うよ」

 ヨスは、WRC All Liveで息子のマックスがシトロエンC3 Rally2をテストしたことがあることを暴露、マックスはF1で忙しいためラリーに出場することはないだろうとしながらも、自身のラリー挑戦と進歩を興味深く見守っていることを認めた。

「彼のフィーリングがあれば、何を乗っても大丈夫さ。テストデーがあったのだが、地獄のような速さだった。勝ち目がなかったよ」とヨスは笑った。

「マックスは最初、僕の頭がおかしくなったと思ったようだ。しかし、いまは彼もそれを理解し、僕が楽しんでいることを喜んでいるよ」

 ヨスはF1で経験したような興奮がラリーでもあると認め、この挑戦を続けたいと語った。

「興奮は、ひとつひとつのステージにある。F1では、レース前から興奮し、いざスタートとなるとアドレナリンが出る。しかし、WRCではそうした興奮が1日8回もあるんだ。F1のようにコースは暗記できないので、コドライバーのノートを聞かなければならない。それもいい刺激になったよ」