WRC2016/11/02

フォルクスワーゲン、WRCからの撤退を発表

(c)VW

 フォルクスワーゲン・モータースポーツは11月2日、 2016年末をもって世界ラリー選手権から撤退することを正式に表明した。

 VW によればこれまでモータースポーツに注いできた予算を電気自動車の開発に充てるとともに、モータースポースポーツをカスタマーむけの活動に再編成するという。

「フォルクスワーゲン・ブランドは大きな試練に立ち向かおうとしています。WRCで私たちの目標を超えることができた今、当社の電気自動車における今後の拡大に伴い、私たちは重要な将来の技術のためにすべての努力を集中する必要があります。フォルクスワーゲン・モータースポーツを再編成し、将来の自動車技術への移行に専念します」とWRCプログラムの責任者であるフランク・ウェルシュ取締役は語った。

「同時に、フォルクスワーゲンは、カスタマーのレースに集中しようとしています。サーキットのゴルフGTI TCR、ラリークロスおけるビートルGRCとともに、我々はまた、カスタマーにむけてグループR5規定に従って新しいポロを開発します」

 ポロR5は、次世代のポロがベースとなり、2018年からカスタマーへの供給を開始するという。

 また、ウェルシュ取締役は、2013年のWRCデビュー以来、これまでに51戦に出場して42勝を飾ったチームのドライバーたちに感謝を述べた。

「私は優れた業績のために貢献した我々のドライバーとコドライバーに心から感謝しています。彼らは速かっただけでなく、フォルクスワーゲン・ブランドのアンバサダーとして信じられないほど大きな役割を果たしてくれました。モータースポーツディレクターのスヴェン・スミーツを中心に構築されたチーム全体は、それぞれが巨大なコミットメントとこの成功のための基礎を作成しました。我々は、この優れたチームとともに作業を継続し、再編をもたらしたいと願っており、ともに製品開発やモータースポーツの間の緊密な協力関係を拡大していきたいと考えています。フォルクスワーゲン・モータースポーツの従業員の雇用の保証をしています」

 フォルクスワーゲン・モータースポーツのディレクター、スヴェン・スミーツは次のようにコメントしている。

「フォルクスワーゲン・ブランドによるモータースポーツの歴史の中でももっとも成功を収めただけに、もちろんWRCからの撤退は大変残念でならない」とスミーツは語った。

「チームは偉大な仕事をやり遂げた。同時に、我々はしっかりと前に進むつもりでいる。この再編がフォルクスワーゲン・ブランドの成功に貢献できることを願っており、これからはモータースポーツにおける今後のテクノロジーとともに、より広く、より魅力的なカスタマースポーツなることに焦点をおくつもりだ」