RallyCross2016/09/05

フランスRX、クリストファーソンが今季初優勝

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 ロエアックで行われた世界ラリークロス選手権第8戦のフランス・ラウンドは最終日にドラマチェックな展開となり、フォルクスワーゲンRXスウェーデンのヨハン・クリストファーソン(VWポロRX)が今季5人目の勝者に輝くことになった。

 朝降った雨によって滑りやすいコンディションとなったことで俄然スピードを上げることになったクリストファーソンは、Q3、Q4でトップタイムを奪ったあと、セミファイナルでも圧巻の走りで勝利、ファイナルのポールポジションを獲得することになった。

 クリストファーソンは、ファイナルレースでもクリーンなスタートを決めて、1コーナーをクリアするも、その後方では今季2勝を飾っているフーニガンレーシングのアンドレアス・バックルド(フォード・フォーカスRS RX)、Q4でジャンプスタートのミスにより2度のジョーカーラップもこなしながらも2番手タイムを出すという離れ技をみせたペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)による激しい2番手争いが繰り広げられることになる。

 二人はコーナーごとに接触するバトルを続けたものの、1ラップ目の終盤でそろってアウトにふくらんだところをイン側からセバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)がパス、2位に浮上することになった。

 バックルドはソルベルグからローブに照準を変更、3ラップ目にサイドバイサイドのバトルを演じながらジョーカーに入るときに強引に割り込む形で2位へと上がってきた。ローブはコースに戻ったタイミング悪く、2位を失っただけでなく、すでに2ラップ目にジョーカーを終えたソルベルグにも抜かれて3位まで後退することになった。

 首位を独走するクリストファーソンは4ラップ目にジョーカーを終えるものの、この時点ですでに2位のバックルドを3.8秒近く引き離しており、そのまま残りラップを安定したペースで首位をキープ、今季初優勝を飾ることになった。
 
 バックルドは3.4秒差の2位でフィニッシュ、最終ラップでタイヤが厳しくなったソルベルグを抜いてローブが今季3度目の表彰台を獲得することになった。

 ソルベルグは表彰台に届かなかったものの、選手権を争うライバルのマティアス・エクストローム(アウディS1 RX)がファイナルを逃していたため、選手権では5ポイント差にリードを広げることになった。

 また、ファイナルで5ラップ目までジョーカーに入らずに2位につけていたケン・ブロック(フォード・フォーカスRS RX)は表彰台への望みをつなぐべく、気迫の走りをみせるもオーバースピードでコンクリートバリアにクラッシュしてレースを終えることになった。

 ALL-INKLミュニッヒ・モータースポーツでの最後のレースと発表されたレイニス・ニッティス(セアト・イビーザRX)は見事、今季初めてファイナルに進出する速さをみせたが、スタートでエンスト、ファイナルは5位に終わっている。

 いっぽう、Q1、Q2ともトップタイムを奪い、予選の初日のトップに立ったEKS RXチームのエクストロームは二日目も順調な走りを続けて予選トップでセミファイナルに進出、スタートを決めて首位をキープしたものの、5ラップ目のジョーカーの出口でバックルドと接触した際にタイヤをパンク、最終ラップで順位を4位まで落とし、ファイナル進出を逃している。

 前戦カナダRXで今季初優勝を飾ったチーム・プジョー・ハンセンのティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)はパワーステアリングの問題に苦しみながらも予選7位でセミファイナルに進出することになったが、ロビン・ラーソン(アウディA1)の突撃によって後退、二台ともファイナルに駒を進めることはできなかった。