アドリアン・フールモーはヒョンデi20 N Rally1でのデビュー戦となったラリー・ナショナル・イヴェルナル・デュ・デヴォリュイの初日をリード、カッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)に16秒差をつけている。
大雪が降るなかでスタートを迎えたオープニングステージで、フールモーは一番手からスタートしたロヴァンペラを3.8秒上回り、24kmを超える長いSS2ではその差を22.9秒へと広げることに成功した。ラリー・デュ・デヴォリュイは夕方から雪は止んだものの、ぬかるんだ雪と泥という難しいコンディションとなり、折り返しのループとして行われたSS3とSS4 でロヴァンペラは2つのステージで連続してベストタイムを奪い、首位のフールモーに16秒差まで迫って初日を終えている。
フールモーとロヴァンペラによるハイブリッドなしの2025年仕様のRally1カーでの対決は、これまでのところフールモーに軍配が上がっているが、二人ともにピレリと新しいハンコックを履き替えて、そのパフォーマンスを比較しながら走行したため、ここでは二人の純粋な速さを判定すべきではないと言えるだろう。
いずれにせよ、来シーズン以降、WRCの公式タイヤサプライヤーとして使用されるハンコックタイヤ、そしてハイブリッドユニットの廃止とリストリクターのサイズが縮小される新しいRally1カーについてドライバーたちが学ぶ機会は非常に限られたものだ。
ロヴァンペラはラリーのスタート前、「これはシーズンの終わりではなく、新しいシーズンの始まりのように感じる。2025年の開幕戦モンテカルロは近いし、その準備のための大事な週末になる」と語っていたが、その言葉のとおりだろう。開幕戦ラリー・モンテカルロまではおよそ1カ月しかない。