WRC2021/06/28

フールモーにペナルティ、グリーンスミスが4位に

(c)M-Sport

 サファリ・ラリー・ケニアで、自己最高位となる4位でフィニッシュしたアドリアン・フールモーは、SS14ロルディアにおけるコースカットによって10秒のペナルティが科されることになった。これによって、チームメイトのガス・グリーンスミスが0.1秒差で彼にとっての最高位の4位フィニッシュを果たすことになり、フールモーは5位へと後退している。

 フールモーは5位で迎えた最終日、最初のステージのSS14ロルディアにおいてコースオフ、芝生の上を走ったあとコースに合流している。サファリ・ラリーのスチュワードは、クラーク・オブ・ザ・コースからの報告を受け、ビデオ映像を確認した結果、フールモーがWRCスポーツレギュレーションの第19.2条に違反、「規定の道路に従わなかった」として10秒のタイムペナルティを科すことを決定した。

 フールモーはグリーンスミスと4位をめぐって激しい争いをしており、12秒遅れでスタートしたフールモーはここで6秒差へと縮めている。

 スチュワードのヒアリングにおいて、フールモーのコドライバーであるルノー・ジャムールは、コースオフしたあとコースに戻るための走行は理解の範囲内で許されるものであって不正の意図はなかったと説明している。

 WRCのオール・ライブ・サービスの映像でも、サバンナの上のコースは道路と芝生の境界が不鮮明であり、フールモーはコースオフしたあとルートに戻ろうとした走行が、結果としてコースを短縮することになったかもしれないが、それが最初から時間を稼ぐことを意図した行為であったようには見えない。

 ジャムールによれば、事前にコースの逸脱やショートカットを制限するための措置に関する説明を受けており、SS14のショートカットが意図したものでなかったことはリピートステージのSS17では同じラインを繰り返して走行なかったことでもはっきりしていると主張、トラッキングデータでもその事実は裏付けられている。

 しかし、スチュワードは、「走行中に競技者が規定された道路を逸脱したと判断された場合」について規定した第19条2項への「明確かつ意図的な違反」であり、科されたペナルティはこうした状況下で必要かつ相当であると結論づけている。

 フールモーは、ペナルティを受けたことで自己最高位の更新はならなかったが、クロアチア・ラリーと同じ5位でフィニッシュしており、SS16マレワではキャリア初のベストタイムを獲得するなど、ふたたび印象的なパフォーマンスをみせた週末となっている。