WRC2021/11/20

ブラチアがWRC2をリード、チーム選手権は接戦に

(c)wrc.com/WRC Promoter

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 ACIラリー・モンツァのWRC2の初日、トークスポーツWRTのアンドレア・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)がタイヤトラブルに見舞われたため、チームメイトのマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアRally2エボ)が首位に立っている。

 WRC2チャンピオンに輝いたミケルセンは、特別な「ゴールド・カラー」にラッピングされたファビアを駆ったミケルセンは、ベルガマスク・アルプスで行われた午前中のステージで快調なペースを刻んでブラチアに15.8秒差をつけて首位でミッドレグ・サービスを迎えていた。

 ミケルセンはSS5チントゥラートまで連続してステージウィンを重ね、モンツァ・サーキットでのステージでさらにアドバンテージを広げていこうというところで運が尽きてしまう。

 ミケルセンはチントゥラートの2回目の走行でグラベルセクションでパンクに見舞われてしまい、新しいコドライバーのフィル・ホールは急いでタイヤ交換を行ったが、それでも2分以上のタイムを失い、ブラチアがトップに踊り出ている。

 ブラチアの一日も決してドラマがなかったわけではない。彼も同じステージで、コーナーをオーバーシュートしてしまい、ストップしてリバースを余儀なくされるというドキッとするハプニングが起きている。幸いにも彼はタイムロスは少なくすみ、最終的にヤリ・フットゥネン(フォード・フィエスタRally2)に5.3秒差を付けてこの日を終えている。

「僕にとってはいい一日だったよ」とブラチアは語っている。「とても安定した一日目になったが、このラリーはまだまだ長い道のりだ」

「明日は80km近い山岳ステージが控えている。十分タイムを稼ぐことができるけど、また同時に多くのタイムを失うこともある」と彼は付け加えている。

 フットゥネンのMスポーツ・フィエスタRally2でのデビュー戦は初日はトラブルなく終わっている。彼は各ステージで3位以内をキープし、SS6ではステージウィンを獲得している。

 ミケルセンは1分34.7秒差で3位につけており、エンリコ・ブラッゾーリ(シュコダ・ファビアRally2エボ)がその4分24秒後方で4位となっている。彼もSS5でパンクによって2分27秒をロスしている。

 このカテゴリーでもっとも速さを見せたのがニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRally2エボ)だった。モヴィスポーツから参戦する彼は今回のイベントではドライバーズ選手権のポイント獲得の対象外となっているが、ライバルであるトークスポーツWRTとのチーム選手権を争いのためにモンツァに臨んでいる。

 しかし、グリアジンはチンチュラード・ステージのバンクに設置されたコンクリートのシケインに右リヤサスペンションをヒット、藁でできたバリアに突っ込んでフロントを壊すことになった。これで彼は40秒近くを失うことになったが、ブラチアを4.2秒リードしており、モヴィスポーツが優位に立っている状況だ。それでも両チームとの間にほとんど差はなく、ポイントも微妙であるため、日曜日のパワーステージでタイトルが決まるという可能性もある。