WRC2022/02/26

ブリーン、壊れたウォッシャーに気をとられた

(c)M-Sport

 Mスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーンは、ラリー・スウェーデンのSS2で発生したクラッシュについて、ウォッシャー液が噴射しっぱなしになるトラブルに見舞われ、フロントガラスの視界を遮られて気を取られたと説明した。

 ブリーンは、Mスポーツにおけるデビュー戦となった先月のラリー・モンテカルロで、世界ラリー選手権の連続表彰台を4回に伸ばし、得意なスウェーデンでのキャリア初優勝も期待されて第2ラウンドを迎えていた。

 オープニングSSを7位でスタートしたブリーンは、SS2では、ワイドになってスノーバンクに引っ掛かりハーフスピンを喫するなど、思わぬ展開となった。しかし、それはリタイアに繋がる一連の出来事の始まりに過ぎなかった。ブリーンは「本当に災難だった」とアクシデントをふり返った。

「スタートに近いところでスノーバンクにリヤが接触し、横向きになってしまった。(狭いセクションのため)スノーバンクから抜け出すのに苦労したが、残念なことに、なぜかその後ブレーキをかけるたびにウィンドスクリーンウォッシャーがフロントガラスに水を噴射し続けたんだ」

 ブリーンの目線の先に噴射されたウォッシャー液は、フロントガラスに付着し、凍り始めてしまった。

「噴射されたウォッシャー液は凍り始めてしまい、ステージの後半、高速セクションの下り坂でいくつかのバンプを越えたところで視界が悪くなり、気を取られてしまい、スノーバンクにはまってしまったんだ。大惨事だ」

 コースオフする前、少し動揺して自分にプレッシャーをかけすぎていたのではないかと聞かれ、ブリーンはこう答えた。「それはない。正直に言って、最初のステージはクリーンで、ミスもなく、すべてに満足していた」

「最初のステージでは大きなことをしたいとは思っていなかった。最初の数キロはゆっくりと走行し、後半はペースもとても良かったので、2回目のステージを楽しみにしていた」

 ブリーンのクラッシュを知らされたチーム代表のリチャード・ミレナーは好成績の可能性が消滅したことを認識していた。

「モンテカルロ(でMスポーツが優勝した)後、最初のラリーでの高揚感から、感情が目まぐるしい。クレイグに起きたことは、起こる可能性があったことの中で最も悪いことだろう」とミルナーは語った。

「しかし、我々にできることはあまりない。クラッシュの後、彼は私に『本当に申し訳ない、弁解のしようもない』とメールしてきたが、私は『がっかりだ』とだけ返した。あれだけ力強いスタートを切ったのだから、これは我々が望んでいた結果ではなかった」

「我々がここでいい順位を取りたかったことは、彼もわかっていたはずだ。しかし、我々はリグループし、明日戻ってきて、何ができるか検討するしかない」

 ブリーンのプーマRally1はサービスに戻されてチェックを受けたが、大きなダメージもないことから土曜日には問題なくリスタートできそうだ。