WORLDWIDE2022/03/19

ブロック、ヒョンデi20 クーペWRCでARAに参戦

(c)Hoonigan Racing

(c)Hoonigan Racing

 フーニガン・レーシング・ディビジョンは、ケン・ブロックが2022年のアメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)シリーズにヒョンデi20 クーペWRCで参戦することを発表した。

 ブロックは、これまで2Cコンペティションが所有していた2019年仕様のi20 クーペWRCを駆って、過去7回優勝しているミズーリ州セーラムで行われる100エーカーウッド・ラリーで今週末に初登場する。

 ブロックとコドライバーのアレックス・ジェルソミーノは昨年、マッケナモータースポーツが運営するシュコダ・ファビアR5+でARAに本格復帰、シーズン途中からバーモントスポーツカーが走らせるスバルWRX STIにスイッチして2位で選手権を終えている。

「今シーズンのアメリカは、今までで一番ご機嫌なシーズンかもしれない。素晴らしいコンペティションで、一年を通してヒョンデのWRカーに乗ることができるからね!」とブロックは語った。

 ヒョンデは、昨年末から米国でi20クーペWRCを走らせる可能性を検討しており、ここ数ヶ月はARAのルールに合わせるためにシリーズと交渉してきた。

 ARAでは電子制御の油圧式パドルシフトは認められておらず、スバル・モータースポーツUSAのWRX STIも機械式シフトを採用している。ところが、ヒョンデi20クーペWRCのトランスミッションにはパドルシフトのための油圧のアクチュエーターが組み込まれているなど、技術的な仕様変更が不可能のため、ブロックがパドルシフトを残したままの仕様で出場できるよう、ARAが譲歩することになったようだ。

 ARAの競技ディレクターであるプレストン・オズボーンは、ブロックのi20クーペWRCを合法的にARAに参戦させるために、いくつかの調整を要求した模様だが、パドルシフトとマニュアルシフトにシフト速度があることを認めながらも、ヒョンデのWRカーがライバルの2リッターエンジンより小さい1.6リッターという排気量でありながらもエアリストリクターを拡大してライバルとのパワー調整を行うことがシステム的に困難であることから、パドルシフトのメリットと相殺する形で出場を容認することになったようだ。

 ただし、ARAは今週末の100エーカーウッド・ラリーではステージタイムを調査しながら、競技のバランスと公平性が保つための性能調整を行う可能性があることを示唆している。

 ブロックはこのマシンならアメリカでのタイトルが可能になりそうだと考えている。

「ヒョンデのWRカーは、このスポーツの世界最高峰で多くのラリーに勝利しており、フーニガンと僕にとって大きな武器になるはずだ。このマシンを素早く学んで、100エーカーウッド・ラリーからタイトル戦への追撃を開始できることをうれしく思う」

(c)Ken Block

 また、フーニガンレーシングからは100エーカーウッド・ラリーにはブロックのほかに妻のルーシー・ブロックがフォード・フィエスタRally3で、15歳の娘のリア・ブロックがフォード・フィエスタR2Tが出場する予定だ。

「家族で出場できる準備を進めてきたので、僕たち3人が僕の大好きな100エーカーウッド・ラリーに出揃うことは本当にうれしいよ」とブロックは語っている。