WRC2022/05/20

ポルトガルがスーパーSSで開幕、ヒョンデ1-2発進

(c)Hyundai

(c)Toyota

 2022年世界ラリー選手権(WRC)第4戦のラリー・デ・ポルトガルが木曜日の夕方に行われたコインブラ・スーパーSSで開幕、ティエリー・ヌーヴィルがベストタイム、0.6秒差でオイット・タナクが続き、2台のヒョンデi20 N Rally1がトップ2を占めている。

 ラリー・デ・ポルトガルは2019年以来、かつて幾多の名勝負が演じられたアルガニル丘陵での伝説のステージ群が復活しており、今年も木曜日の朝に行われたシェイクダウンのあと、レグ1の舞台を目指してラリーカーは積載車に搭載されてサービスパークのあるマトジニョスから160km近いロードセクションを南下する。

 歴史あるコインブラ大学の近くで行われるスタートセレモニーに続いて、新しいコインブラ・スーパーSSで開幕した。コインブラの市街地のアスファルトコースで開催されるこの新しいスーパーSSは、昨年もオープニングステージとして計画されたが、COVIDの影響からキャンセルとなっていたため、長年待ちわびてきた多数の観客が押し寄せ、ヘアピン、ラウンドアバウト、高速ストレート、コンクリートウォールぎりぎりの走りを堪能することになった。

 この短くてトリッキーなショーステージはライバルに差をつけるチャンスというより、マシンにダメージを与えることなく走り切ることが最重要となる。ヌーヴィルがベストタイム、タナクが0.6秒差の2番手タイム、ヒョンデが初日のオーバーナイトホルトを1-2体勢で迎えている。

 ヌーヴィルはラリーリーダーとなったが、明日のグラベルステージには2番手というけっして楽ができるスタートポジションではない。「ここではまだどうなるか発見しようとしているところだよ。この3年間はポルトガルではあまり良いことがなかったから、また観客を見ることができてうれしい。今週末は素晴らしい戦いになることを期待している」 とヌーヴィルは明日に向けて慎重なコメントをしている。

 タナクの0.8秒後方の3番手にはクレイグ・ブリーン(フォード・プーマRally1)、今週末のポルトガルでWRC初表彰台を狙うと宣言しているチームメイトのガス・グリーンスミス(フォード・プーマRally1)がさらに0.4秒差の4番手タイムで続いている。

 トヨタ勢最速はセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)。グリーンスミスから0.3秒遅れの5番手、チームメイトで選手権リーダーのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が0.6秒差で続いている。明日の金曜日にはコースオープナーとして一番手で路面掃除を強いられる彼は、「いいフィーリングだよ。明日はどの位置にいるのか興味深いし、開幕戦は大変な一日になるだろう。いいポジションをキープできるといいんだけどね」と、いつもどおりのクールな表情で語っている。

 勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)がロヴァンペラから0.1秒遅れの7番手、8番手のセバスチャン・ローブ(フォード・プーマRally1)を間に挟んでエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)が9番手タイムで続いている。

 また、今季初登場のダニエル・ソルド(ヒョンデi20 N Rally1)は、慣れないハイブリッドユニットのマッピング設定に一瞬気を取られ、1周半しなければならないラウンドアバウトでのドーナツターンで混乱してオーバーシュート、ふたたび周回に戻ったために7.2秒という大きな遅れを喫している。それでも、本格的なグラベルのステージでの戦いは明日からのスタートとなる。ソルドは「マシンがどう動くか考えていて、集中できなかったんだ。大したドラマではない」と動揺した様子はない。

 明日の金曜日はかつて幾多のドラマを生んだ壮大な景色が広がるアルガニル丘陵のステージ群を走ってポルトへと戻る8SS/121.67kmという長い一日となる。しかも、デイサービスは設定されず、アルガニルでのタイヤ交換のみで走り切らなければならない。オープニングステージのロウザは朝8時8分(日本時間16時8分)のスタートが予定されている。