WRC2017/09/23

ポーランド、FIAの協力のもとWRC復帰の努力継続

(c)Toyota

 安全性に問題があったためにFIAから「イエローカード」を出されていたラリー・ポーランドが2018年のWRCカレンダーから外れることが正式に決まった。しかし、ポーランドはFIAの協力を得て、ふたたびWRCのカレンダーに復活するための努力を続けることを宣言した。

 21日にパリで行われたワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)は来季のWRCカレンダーを承認するとともに、安全性に問題があったイベント主催者が「イエローカード」を受けたあとの開催手続きについてFIAが調整を行うことを承認、今後は「ラリー・セーフティ・タスク・フォース」に基づき関係主催者およびASNが将来的に満足できるレベルの安全性に達するのを手助けする責任をFIAが担うことを決定した。

 FIA WRCコミッションは、今年のラリー・ポーランドは、主催者のセーフティ・サービスによって観客の行動が十分に制御できず、安全基準を満たしていなかったと判断、FIA代表団の報告書を検討した上でポーランド主催者にはイエローカードが出されていた。

 ラリー・ポーランドのクラーク・オブ・ザ・コースを務めるヤロスワフ・ノヴォロルは次のように語った。

「ラリーの主催者として、我々は発生した事故や安全基準の否定的評価に全責任を負う。しかし、今回の事故は主に人的ミスの結果であり、我々自身の怠慢によるものではなかった。イベント構成を評価するFIA代表団の関連文書においては、ラリー全体が高評価を獲得したことは強調する価値がある」とノヴォロルは語った。

「FIA代表団による詳細なリポートは、安全性の問題を除けば、我々のラリーに対して他の重要な反対が全くなかったことを立証している。だが残念ながら、FIAにとってファンの安全は重要事項なので、来年のWRCカレンダーにラリー・ポーランドは含まれていなかった。しかし我々は、WRCラウンドの常連の座に再び戻るための努力を諦めるつもりはない」

 ポーランドは安全性の改善やスポンサーたちとともにWRCカレンダーに復活するための作業を続けることを宣言した。

「我々はFIAセーフティ部門の助けを借りて新しいラリーのセーフティ概念を生み出すことに取り組む。また我々は、政府やスポンサーにラリー・ポーランドを世界選手権のイベントとして一層支えてもらえるように働きかける。このような莫大なイベントを組織するためには、彼らの協力が不可欠だ。私は、これによって、プロモーション面において、我々のパートナーが財政的な期待に応えることが可能となることを望んでいる」とノヴォロルは続けた。

「観戦者の数とメディアの関心を示す統計は、ポーランドの市場と我々のラリーは商業的側面から見てWRCを構成する中で最も価値のある要素の一つであるというWRCプロモーターの意見を裏付けている。来年のラリー・ポーランドは、マズールィ地方のグラベルステージで国際イベントとして開催されるだろう。我々の目標は、最高のFIA安全基準に基づいて来年のラリー・ポーランドを組織することだ。それによって、できる限り早くFIA世界ラリー選手権に復帰することが可能となるだろう」