ERC2018/06/04

マガラエス、歓喜のアクロポリス勝利

(c)ERC

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 2018年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第3戦アクロポリス・ラリーをポルトガルのブルーノ・マガラエス(フォード・フィエスタR5)が制した。

 路面に多数の鋭い石が散らばる難しいコンディションとなったアクロポリス・ラリーは、土曜日に選手権リーダーのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)や予選でトップタイムを叩き出した期待の若手ユーソ・ノールドグレン(シュコダ・ファビアR5)が相次いで波乱に見舞われるなか、マガラエスは安定した走りをキープして1分4秒という大差で最終日を迎えている。

 しかし、彼は最終日のオープニングステージとなったSS9グラメニの難しいセクションでは集中力を乱して45秒をロス、2位につけるハンガリーのノルベルト・ヘルツィヒ(シュコダ・ファビアR5)が43.5秒差に迫られてしまった。それでも彼はSS10ドゥーブラでは落ち着きを取り戻し、ふたたびリードを50.9秒として朝のループを終えることになった。

「朝のステージはあまりにもリスクをとらなさすぎていたが、少しはよくなったよ。いいフィーリングもなくて、リズムも悪かった。そういうときはかえって危ないものだ」とマガラエスは守りすぎたためにリズムを失ったことを認めた。

 彼は残りの2ステージでもペースを上げることはなかったが、パンクを避けることに全精力を尽くして、29.1秒というマージンを残して勝利のゴールを迎えることになった。

「時には人生で夢が実現するときもある。アクロポリスに勝てるなんて。僕の名前がレコードに記録されるなんて本当に信じられないことだ」と、マガラエスはフィニッシュラインで感極まったように語った。

 マガラエスは昨年、アクロポリス・ラリーの大会メインスポンサーであるフェリー会社のシージェットの支援もあってラリーへのスポットでの参戦が実現、最終日に首位に立ったが、厳しいコンディションのなかでギヤトラブルとともにオーバーヒートの問題を抱え、2位でフィニッシュすることになった。勝利は実現しなかったが、そのパフォーマンスの甲斐もあって、彼は選手権へのサポートをシージェットから受けることになり、今年も長期の約束はないようだが、ふたたび彼らの支援によってギリシャの地を踏んでいた。

「僕を支えてくれたスポンサーたちに感謝したい。彼らはずっと僕を信じてくれていた。そしてシージェットの国で勝てたことはなによりも大きな喜びだ。この勝利を彼らに捧げたい」

 2位でフィニッシュしたハンガリーのヘルツィヒとともに3位で続いたポーランドのフーベルト・プタシェック(シュコダ・ファビアR5)にとっても初のERCポディウムとなった。

 土曜日のタイヤ交換によって8位まで後退したエイヴィンド・ブリニルドセン(フォード・フィエスタR5)は最終日に4位に浮上、プタシェックを捕らえるためにプッシュしたが、駆動系の問題からペースを上げられずにポディウムには届かなかった。

 5位にはキプロス選手権のトップランナー、シモス・ガラタリオティス(シュコダ・ファビアR5)が続き、土曜日の最終ステージで左フロントホイールを破損するまで2位につけていたポーランドのグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)が6位で続くことになった。

 サスペンションを壊して土曜日にリタイアとなったルクヤヌクは最終日にラリー2でリスタートして19位でフィニッシュを迎えたが、最終日の4つのステージのうち3つのステージでベストタイムを奪ってレグ3でのトップフィニッシュによるボーナスポイントを加算して選手権リードを維持している。

 ERCはこのあともハードなグラベルラリーが続くことになり、次戦は6月15〜17日に開催されるキプロス・ラリーとなる。