WRC2018/11/18

マキネン代表、想像以上にヤリスの進化は早かった

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTは今季最終戦のラリー・オーストラリアでヤリ-マティ・ラトバラが優勝、エサペッカ・ラッピが総合4位でフィニッシュし、WRC復帰2年目でマニュファクチャラーズタイトルを獲得することになった。チーム代表のトミ・マキネンは、想像以上にヤリスの進化が早かったと語り、厳しいシーズンを戦ってきたチーム全員のこれまでの努力を賛辞した。

 ラリー・オーストラリアの最終日は、前夜から断続的に降り続いた雨によって森の中のグラベルステージは全体的に滑りやすくなったため波乱が続出、ワールドチャンピオンへの可能性を残して首位で最終日を迎えていたオイット・タナクもSS22でコースアウト、立ち木に競技続行不可能となったため残念ながらリタイアとなった。

 これほどまでに難しい路面コンディションでのタイトル決戦となるなか、ヤリ-マティ・ラトバラはオープニングステージのSS19でベストタイムを記録、SS20でトップに立つとSS22と23でもベストタイムを刻んでリードを広げて、今シーズン初優勝を飾ることになった。また、今回のラリーを最後にチームを離れるエサペッカ・ラッピも、チームの選手権を最優先した走りを続けながらも、SS21でベストタイムを記録して総合4位でフィニッシュ、ふたりが貴重なポイントを獲得した結果、チームは1999年以来となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得することになった。

 自身4度のワールドチャンピオンを経験しているマキネンにとって、初めてのチーム代表としてのタイトルとなったが、これほど大変な最終戦は記憶になかったと緊迫した戦いとなった週末をふり返っている。

「本当に信じられない気分だ。私の記憶にある中で、もっとも大変な最終戦になった。フィニッシュまであと少しというところでオイット(・タナク)がリタイアとなってしまったのは非常に残念だった。しかし、ヤリ-マティ(・ラトバラ)が再び素晴らしい勝利を勝ってくれた。また、エサペッカ(・ラッピ)もポイントを獲得しタイトルに貢献してくれた」

「我々はこのプロジェクトを3年半前に始めたが、想像以上にはやく進化を遂げたと思う。去年我々はこのラリーで多くを学び、データを収集した。そして、今シーズンの後半はクルマを大きく進化させることができた。タイトルの獲得は、チーム全員の多大なる努力によって成し遂げられたものだ。そして、この成功により2019年に向けて彼らの開発に対するモチベーションはさらに高まると確信している」

 トヨタのマニュファクチャラー・タイトルは19年ぶり4度目となる。トヨタが最後にタイトルを獲得したのは1999年のことであり、そのときも厳しいシーズンの戦いは最終戦にもつれ、今回と同様に最終戦オーストラリアの舞台でタイトルを獲得することになった。トヨタを最後まで苦しめ、その一戦で勝利を飾ったのは当時、三菱ラリーアートのワークスドライバーだったマキネン自身だ。