ウィリアム・クレイトン(トヨタGRヤリスRally2)は、10月25日に北ウェールズで行われたカンブリアン・ラリーで4位でフィニッシュ、念願の英国ラリー選手権初タイトルを獲得することになった。
また、このラリーではスコットランド出身のマックス・マクレー(シュコダ・ファビアRS Rally2)が英国ラリー選手権での劇的な初勝利を収め、祖父のジミー、父のアリスターに続き、27年ぶりに英国ラリー選手権の頂点にマクレー一族の名を刻むことになった。
シュコダでのグラベルデビューを迎えた21歳のマクレーは、最初のステージで一番時計を記録、トップを維持していたが、SS5の終盤のパンクで12秒を失い、Mスポーツのロメット・ユルゲンソン(フォード・フィエスタRally2)にリードを明け渡した。
ユルゲンソンは最後から2番目のステージでも最速タイムを記録し、最終ステージを前にマクレーに対して3.5秒差を築いた。しかし、最終ステージではサイドブレーキに小さなトラブルを抱えてペースダウン、最終的にマクレーが9.1秒差をつけてラリーを制した。
この勝利はマクレーにとって、初の総合優勝となったマクレー・ラリーチャレンジからわずか5週間後のことであり、英国選手権では今回が初の勝利となった。
「少しプレッシャーを感じていたが、その中で結果を出すことができて本当に嬉しい」とマクレーは語った。「午後の最初のステージでのトラブルがなければ、イベントをコントロールできていたと思う」
マクレー家にとっても想い出深いウェールズの森で後方から追い上げて勝利したことは、彼の自信を深めた。
「このラリーは本当にブレイクスルーとなったと感じた。先月のノックヒルでの勝利も素晴らしかったが、今回は特別な勝利だった。『マクレー』がBRCラウンドで勝利したのは、1998年のスコットランドラウンドで父が優勝して以来だ。もう27年も前のことだ。次はそんなに間が空かないようにしたいね!」
「この地域でラリーに勝てたこと、クロケノグのステージで最速タイムを記録できたことも本当に嬉しい。30年前、コリンが世界選手権タイトルを獲得したのは、まさにここで優勝したときだ」とマクレーは付け加えた。
英国ラリー選手権のタイトル争いは、最終戦まで白熱した戦いとなった。
2023年にジュニアWRCのチャンピオンに輝いたクレイトンは、昨年は惜しくも英国ラリー選手権のタイトルを逃しており、今年はチャンピオンシップのライバルであるユルゲンソンに僅差のリードを保って最終戦を迎えることになった。彼は、難関として知られるカンブリア地方のステージではプレッシャーを感じながらも冷静なドライビングでペースを完璧にコントロールして4位でフィニッシュ、これでタイトル獲得を確実なものにし、コリン・マクレー、リチャード・バーンズ、アリ・バタネンといったレジェンドたちと肩を並べ、その名をBRCトロフィーに刻むことになった。
「本当に素晴らしい1年だった」と、クレイトンはフィニッシュで感極まった様子で語った。
「今シーズンはヤリスでの初シーズン、メルビン・エバンス・モータースポーツ(MEM)での初シーズン、そしてこの象徴的なカストロールカラーでの初シーズンだった。ここまで来るのに多くの努力が必要だったが、本当に素晴らしい経験をさせてもらうことができた。僕たちを支えてくれたすべての人、特に一年を通して素晴らしい仕事をしてくれたリアム(・レーガン)に心から感謝したい」
「ジュニアBRC、ジュニアWRC、そして今回のこの道のりは、本当に特別なものだ。1ラウンド欠場したにもかかわらず、チャンピオンシップを勝ち取れたことを本当に嬉しく思っている。本当に嬉しいよ」