WRC2019/07/16

マルティン、エストニアの凄まじい数の観客に感動

(c)Rally Estonia

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 エストニアを代表する伝説のドライバーのマルコ・マルティンは、ラリー・エストニアのゴールポディウムで数千人の観客に迎えられ、最新のフォード・フィエスタWRCで母国ラウンドを走り切ったことに感動していたようだった。

 2003年のアクロポリス・ラリーにおいて、エストニア出身ドライバーとして初めてWRCで優勝を飾ったマルティンは、フォード・モータースポーツからプジョー・スポールへとワークスチームを渡り歩いて通算5勝を飾ったあと、2005年に引退をしているが、母国エストニアでふたたび現役のトップドライバーたちと競う日がきたことに信じられない思いでいるようだった。

 それでもマルティンは、スタート直後には、このイベントをスタートしなければよかったと後悔したと告白した。

「ラリー・エストニアを最新のWRカーで走ることについて、最初は素晴らしいアイディアだと思ったんだ。でも、走り始めてすぐに愚かなアイディアだったと思い直したよ」と43歳のマルティンは語った。

「オープニングステージを走るまでラリーがこれほどエキサイティングだったことを思いだせなかったよ。スタートから何度も危ないシーンがあり、多くのコーナーでワイドになって、たった1ステージ走りきれたことにホッとしたくらいだったからね」

「体力にとっても厳しかった。僕の隣にいるのは、僕が競技で走っていたときに運転免許も持っていなかった小さな子供だったけれど、いまでは彼らが現役でこのWRカーで信じられないスピードで飛ばしているからね!」

 ラリー・エストニアは3年後に世界ラリー選手権開催を目指すことを宣言しており、今回のWRCプロモーショナルイベントはその行方を占う意味でも重要な一戦だったことをマルティンも知っている。

 マルティンは、エストニアのラリーステージをこれほど多くのラリーファンが埋め尽くしたことを感慨深く感じている。
 
「エストニアの素晴らしいコースができたおかげで高速で連続するジャンプの着地で僕の首はかなり痛くなっていたし、なんとかラリーを終えることだけを目標にして走ったよ。そしてゴールポディウムに迎えられてこの場に上がったいま、やっぱりいいアイディアだったと思い直したよ。この新しいマシンを試して、ラリー・エストニアがどのように向上したかを見るのは本当に楽しかった。そして、おびただしい数の観客も素晴らしかった。信じられないくらい感慨深いものがあったよ!」