WRC2019/10/11

ミーク、トヨタ残留争いでラトバラをリード?

(c)Toyota

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTの残留争いで、一貫性の高さについて評価を高めつつあるクリス・ミークが、ヤリ-マティ・ラトバラを一歩リードしていると英オートスポーツが報じている。

 トヨタは来季についてのドライバーズラインナップに関する契約をまだもっていないが、オイット・タナクの契約がチームにとって最優先となっていることは間違いないが、もし噂どおりにWRC2プロ・チャンピオンのカッレ・ロヴァンペラがトヨタ入りをした場合には、2020年のラインナップの残り一つのシートをミークとラトバラが競うことになりそうだ。

 チーム代表のトミ・マキネンは、ミークは、先週末のウェールズ・ラリーGBでの4位を含め、ここ数戦の結果によって評価を高めたと語った。

「今見ると、クリスは(最近)非常に良いラリーをし、(アクシデントでリタイアとなった)フィンランドを除いては非常に良いパフォーマンスでポイントをもたらした」と、マキネンは英オートスポーツの取材に対して語った。

「プレッシャーもあったが、その前に学びがあった。彼はプレッシャーを感じすぎていたが、今はリラックスしており、ここ(ラリーGB)ではミスがなかった。困難なコンディションだが、ドイツやトルコでもミスがなかった。リラックスしているとき、彼は良いスピードで仕事を達成できる」

 マキネンは、2020年に見たいと思っているものの手本となる人物として、ダニエル・ソルドのヒュンダイへの貢献に目を向けるようにミークに助言した。

「クリスは非常に速いスピードを持っている。そして自分のラリーをドライブして自分のことに専念することを受け入れているとき、チームに良いポイントをもたらす」とマキネンは語った。

「これはダニ・ソルドと非常によく似た行動だと思う。彼は何も狙っていない。彼はプレッシャーを受けずに自分のことをやり続けている」

 マキネンは、ミークはソルドの一貫性と信頼性を見習うことでトヨタにおける長期的な将来を確保できるかという質問に、次のように答えた。

「もちろん。彼はいまでも非常に優れたパフォーマンスが発揮でき、素晴らしいチームメイトになれる。そしてチームに多くのポイントをもたらすスピードを持っている。しかし、まだ何も決まっていない。我々は検討し、戦略を立てる。これまでも考えてきたが、まだ何も決定されていない」

 決定はミークかラトバラかの選択であるかどうか尋ねられて、マキネンは次のように付け加えた。

「ドイツ以降は、クリスのほうが(ラトバラより)強く見える」

 ラリーGBの前、サービスパークでは、ラトバラがすでに2020年の契約更新を行なったという噂が飛び交っていたが、マキネンはそれをきっぱりと否定し、ミークとの合意に向けた方向で動いていることを匂わせつつも、ラトバラを維持する方法も見つけたいと語った。

「ヤリ‐マティのために何か他のものを見つけられることを願っている。視野を広げれば、おそらく彼のために何か他のものを見つけることができる。たぶんね」とマキネンは語った。

「プロジェクト全体ではさまざまな分野がある。テストとかね。だがテストにはすでにユホ(・ハンニネン)がいて、彼は良い仕事をしている。我々はより大きな視野を持つ必要がある。これは難しい、非常に難しいことを私は知っている」

 ラトバラは表彰台争っていたラリーGBの金曜日、ペンハマノのステージの2回目の走行でクラッシュ、ヤリスWRCが激しいダメージを受けたためにラリーを続行できなかった。マキネンは、フィンランドメディアに対して、こうしたアクシデントは起こりうると語るとともに、ラトバラが家族の問題についてずっと悩みを抱えていることに同情的な発言をしたとされている。

 これまで数か月にわたってさまざまな憶測が飛び交ってきたが、マキネンは今月後半に行われるラリー・デ・エスパーニャの前にドライバーのラインナップを確定したいと考えている。

「我々はそれをすぐに終えたいと思っており、もっと早くなることを願っている。たぶん来週かスペインの前に終えるかもしれない。そうなれば良いが、もちろん、我々はまだそんなに急いでいるわけではない。まだ、来年のモンテカルロまでは時間があるからね」