WRC2019/03/08

メキシコのSS1はジャンプ台破損でキャンセル

(c)Citroen

 ラリー・メキシコのオープニングステージは終盤に設けられたジャンプ台が破損したため途中でキャンセルされるという波乱のスタートになった。

 世界ラリー選手権第3戦メキシコは、木曜日の夜にユネスコ世界遺産となっている銀鉱跡に作られた地下トンネルを舞台としたグアナファト・ストリートステージGTOで開幕、すでに陽が落ちて暗くなっているなかでカクテルライトに照らされたラリーカーが数千人のファンに見送られながら次々スタート、トンネルのなかへと消えてゆくことになった。

 石畳の路面は砂がのって滑りやすく、さらにトンネル内は湿ったところがあって滑りやすくなるなどトリッキーなコンディションのこのステージには新たに終盤のラウンドアバウトのあとに人工のジャンプ台が置かれたが、多くのドライバーがノーズから激しく着地したり姿勢を乱すなど問題になっていたが、クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)の走行後にジャンプ台が修理不能な破損をしていることが見つかり、安全のためにステージはキャンセルとなった。

 この時点でのトップタイムは、ジャンプの着地でノーズを地面に激しくヒットして大きな火花を上げるほどのアグレッシブな走りをみせたエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)、0.1秒差でアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)、0.6秒差でエルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタWRC)とミークの2人が僅差で続いている。

 WRカー勢の最後に走行予定だったセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)、ティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)、オイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)はセレモニアルスタートだけでステージを走ることなくサービスに帰る恰好となった。主催者はスタートしていないドライバーにノーショナルタイムを与えるか、ステージを完全にキャンセルするか検討を行った結果、3人のドライバーにはキャンセルの直前に走ったミークが出した3番手タイムとなる1分1.2秒のノーショナルタイムを与えることを決定している。