WRC2016/07/09

ヤリスWRCのテクニカル・ディレクターが辞任

(c)TOYOTA

 トヨタのWRCプロジェクトに緊急事態だ。2017年の世界ラリー選手権のデビューをめざして開発が行われていたヤリスWRCのテクニカル・ディレクターを務めてきたマイケル・ゾートスがプロジェクトを離脱したことが明らかとなった。

 ギリシャ出身のゾートスは、元スバル・ワールドラリーチームに所属していた際にトミ・マキネンのチーフ・エンジニアを担当、その後、スバルUSAのためのインプレッサWRX STIを開発したあと、2015年からトミ・マキネン・レーシング(TMR)に移籍し、ヤリスWRCのテクニカル・ディレクターを務めてきた。

 ゾートスが辞任した理由については明らかになってものの、関係者によれば開発の方向性をめぐる行き違いがあった模様だという。いずれにしても、この秋に予定されるホモロゲーション申請を前にして、ヤリスWRCの開発における事実上のトップが突然辞任したことで今後への影響が懸念されている。

 ヤリスWRCは今年5月からテストを開始、これまでにフィンランド、スペイン、ポルトガルなどで集中テストを行っており、8月までにはターマックでのテストも始まり、開発作業はいよいよヤマ場を迎えるはずだった。

 また、ラリーアート・ヨーロッパ出身でTMRのワークショップマネージャーを務めていたダンカン・デービスもチームを離れていることから、TMRは組織の再編に迫られそうだ。