WRC2021/03/01

ラッピ、WRC2アークティックで圧勝

(c)RedBull Content Pool

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 エサペッカ・ラッピ(フォルクスワーゲン・ポロ GTI R5)は、アークティック・ラリー・フィンランドで最終日も素晴らしい速さをみせて、WRC2選手権の優勝を飾っている。

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのシートを失った今季、ラッピはラリー・モンテカルロは欠場したものの、2016年にタイトルに輝いて以来となるWRC2カテゴリーにモヴィスポーツから復帰していた。

 ラッピは、もちろんポロ GTI R5での実戦経験がなかったが、それにもかかわらず、金曜日の初日から初開催の母国ウィンターラウンドで無敵の速さをみせて首位をキープしてきた。

 土曜日には、TOKスポーツから参戦するモンテカルロ勝者であるアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)が2位に浮上、白熱したバトルになるかと見られていたが、ラッピは最終ステージのシーカカマ・ステージでスピンを喫して20秒を失ったにもかかわらず、ミケルセンに49.8秒の差をつけて最終日を迎えていた。

 ラッピは最終日の朝も素晴らしい速さをみせてベストタイムで発進、最後のパワーステージでは安全なアプローチをとったため、最終的にミケルセンに47.7秒差をつけて勝利を飾ることになった。この週末に行われた10ステージのうち、スピンした前夜のステージとこのパワーステージ以外の8ステージすべてでベストタイムを奪うという、ほぼパーフェクトな勝利だった。

「母国で開催された素晴らしく美しいラリーで優勝できてよかったよ。このような短期間でこのイベントを実現させたのは本当に素晴らしいことだし、フォルクスワーゲンには本当に感銘を受けた」とラッピは語った。

「本当に驚いた。もちろん僕はこのマシンを触ったことさえなかったし、ラリー中により良いセッティングを見つけようとすることもなかった。いくつかのステージで車高を上げる必要があったが、本当にそれだけだった!」

 ミケルセンは勝利を逃したものの、安定したペースをみせて2位でフィニッシュ、最後のパワーステージを制してボーナスポイント5ポイントを追加したことは、選手権リーダーの彼にとって最大の収穫となった。

 ニコライ・グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は土曜日にスノーバンクにはまって40秒を失ったためにポジションを落としたが、そのあとは安定した速さをみせて、ミケルセンから42.6秒差の3位でフィニッシュした。

 ビザの問題でマルコ・ブラシアがフィンランドに渡航できなくなったことから、急遽、ラリーに参戦することになったエイヴィンド・ブリニルドセンは、トーク・スポーツのスーパーサブとして昨年ドライブした経験をもつファビアRally2エボにすぐに慣れ、オーレ・クリスチャン・ヴェイビー(ヒュンダイi20 R5)を9.3秒差で破って4位でフィニッシュすることになった。

 また、プライベーターのためのWRC3選手権では、フィンランドのテーム・アスンマー(シュコダ・ファビアRally2エボ)がカテゴリー初優勝を飾ることになった。

 アスンマーは、首位で金曜日を終えたエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRally2エボ)が土曜日にクラッシュしたあとラリーリーダーとなり、

 エストニアのエゴン・カウール(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は土曜日の午後、アスンマーの2.5秒差の背後にぴたりとつけ、優勝のチャンスがあるかとも思えたが、その夜、タイムコントロールに遅着して10秒を失ったことで彼の勝利への希望は失われてしまい2位となっている。

 世界ラリークロスチャンピオンのマティアス・エクスローム(シュコダ・ファビアRally2エボ)はシェイクダウンのスタックが精神的にも影響してしまい、スタートから出遅れることになり5位に終わっている。また、ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ GTI R5)もスノーバンクに苦しめられて10位となっている。