WRC2022/08/24

ラトバラ、勝田は次のステップに進むべき

(c)Toyota

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラは、勝田貴元の一貫性を称賛し、今こそ次のステップに進むべき時だと考えている。

 GRヤリスRally1を駆る勝田は先週末のイープル・ラリー・ベルギーではいくつもの技術的な問題を克服し、総合5位でフィニッシュした。彼は今シーズン、コースオフが影響した開幕戦モンテカルロを除き、サファリでの3位を含めてほかのすべてのラリーで6位以内に入賞しており、Rally1ドライバーの中で最も安定した走りを見せている。

勝田は、2021年はサファリで初表彰台を獲得した後、後半戦は4戦連続でリタイアするなど苦戦を強いられていたが、今年は大きな成長をみせており、ラトバラ代表はさらに次のステップに進むべきだと考えている。

「彼は本当に素晴らしい仕事をした」とラトバラは熱く語った。

「彼のラインは各イベントの結果と相まって本当に素晴らしいし、彼は一歩前進した。そして次のステップは、もっと頻繁に表彰台を争うことだ」

 どうすれば勝田はそのステップを踏み出せるかという質問に対して、ラトバラはまだ若い勝田を追い立てるつもりはないと言い切った。

「自然にそうなるようにしなければならない」と彼は説明した。「自信を育てると同時に、スピードもついてくるはずだ」

 勝田自身も、ラトバラと同じ考えだ。確実なフィニッシュを重ねながらも、29歳の彼は、もっと表彰台に上がりたいと願っている。

「順調でうれしいが、もっとペースとスピードを上げたい」と勝田は説明した。

「もちろん、安定していることはいいことだが、次のステップは、できるだけ表彰台を争うようになることだ。より大きなリスクを負うことになるが、それが次の目標だし、一歩一歩、近づいている」

「昨年のエストニア、フィンランド、イープルは、僕にとって悲惨だった。だから、これらのラリーではできるだけ賢く完走したかった。それが達成できたので、よかった」

 9月8日〜11日にかけて開催されるアクロポリス・ラリー・ギリシャは、初参戦ながら勝田のドライビングスタイルに合うと予想されている。2021年は、コドライバーのキートン・ウィリアムズが個人的な事情で離れなければならなかったため、勝田はスタート前にリタイアしている。

 さらに勝田が最も楽しみにしているのは、11月に開催される母国日本でのラリー・ジャパンだ。そこで大きな一歩を踏み出す可能性がある。

「今週末はフィーリングが良く、ターマックでも快適に走れるようになった。ラリー・ジャパンに向けて、とてもいい感じだ。しかし、その前にスペインがある。スペインの道でもう少しペースを上げて、ラリー・ジャパンに備えたいと思う」

「ラリー・ジャパンに向けての期待も大きいし、みんなが見るだろう。僕たちの母国ラウンドなので、プッシュしていかなければならない」

 11月10日〜13日にかけて開催されるラリー・ジャパンは、2022年シーズンの最終ラウンドを飾る。2020年と2021年に予定されていたイベントがパンデミックの影響で中止となり、2010年以来、初めてWRCに復帰する。