WRC2021/05/12

ラトバラがチーム代表としての4カ月をふり返る

(c)Toyota

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 今季からトヨタGAZOOレーシングチーム代表に就任したヤリ-マティ・ラトバラがこれまでの4カ月間を振り返っている。

 トヨタはラトバラ体制のもと、初戦ラリー・モンテカルロでの勝利に続いて、第3戦クロアチア・ラリーでもWポディウムを飾り、現在、マニュファクチュアラーズ選手権、ドライバーズ選手権、コドライバーズ選手権をリード、まさに順風満帆のシーズンスタートとなっている。

 ラトバラはチーム代表に就任してからのこれまでの4カ月がとても楽しいものだったとふり返っている。

「正直に言わせてもらって、トヨタGAZOOレーシングチームでのこの最初の4ヶ月は本当に楽しかったよ。仕事の依頼を受けた時に感じた光栄な気持ちを忘れることなく、僕にこの仕事任せてくれた日本の友人や同僚たちの信頼に応えられるように日々努めている」

「今シーズンはとても素晴らしいスタートを切ることができている。ここまで3戦のうちの2戦に勝利してマニュファクチュアラーズ選手権、ドライバーズ選手権、コドライバーズ選手権をリードしている」

 ラトバラは少しずつチーム代表としての新しい生活と仕事にも慣れ始めているようだ。

「皆さんと同様、COVID-19によって通常あるべき仕事での生活ぶりに変化が生じることになった。僕はユヴァスキラにオフィスを構えているが、パンデミックのおかげでホームオフィスで仕事をすることが多くなった。正直言うと僕は結構、今の感じを気に入っていて、一つの場所ばかりに縛られないことをとても楽しんでいる。ずっと長い期間世界を旅してきて離れていることに慣れているからまだまだ机の前にずっと座って過ごす準備はできていない」

「ラリーを離れるといろいろなことがあっていい。例えば今週、エストニアでのオペレーションをチェックしにタリンを行ってきた。月2回くらい行っているかな。そしてユヴァスキラで2日間ほど過ごして、また家にも戻れる、これはとても都合がいい。こうして自分のビジネスについても様子を見ることができるからだ」

「それまでの自身のビジネスだったクルマのプリペアやミュージアムの運営が本当に忙しくなり始めていたから、いまは35年来の家族ぐるみの友人にお願いして代わりにやってもらっている。とても助かっているよ。両立させることは考えられないからね!」

 ラトバラはラリードライバーとしてではなく、チーム代表としてサービスパークでラリーの流れを追い掛けるのは前とまったく異なるものだと語った、

「ラリーの時は、サービスパークでクルマをフォローするというのは、前とは断然違ったものだ」

「僕は何かしらアドバイスを提供できる機会があることを楽しんでいるよ。例えばモンテカルロでのことだ。セブ(オジエ)は、(ティエリー・)ヌーヴィルが午前中にやったように使用済みのタイヤを使うというやり方に従うかどうか迷っていたことがある。僕はセブとタイヤについて話をすることができたけど、それだけでなく、僕の経験から彼にもっと自信を持ってもらうことができないかと彼にいくつかことを思い出してもらうのに走行順についても話をした」

「もちろん、タイヤに関しての決断を下すのは彼だった、それでも彼は、僕が勧めたフレッシュ・タイヤで行くことを選んで、最速タイムを出している。それは嬉しいよね。僕はドライバーたちと関わり合って解決策見つけていくことが性に合っていると思う」

 ラトバラはトップドライバーとしてのキャリアについてはピリオドを打っているが、今年の2月、チーム代表に就任後、自身が所有するトヨタ・セリカGT-FOUR ST-165を駆って、フィンランド・ヒストリック・ラリーシリーズ開幕戦のマシカメン・ラリーに出場して優勝を飾っている。

「また自分のクルマを走らせることができることを期待しているんだ。この仕事をやり始めたころ、自分でもいくつかのイベントを走るのも続けていきたいと言った。今年はすでに一つラリーを走っていて、また自分のトヨタ(セリカGT-FOUR)を走らせることができたらいいなと思っている。ヨーロッパのヒストリック・イベントへの出場も考えていたけど、コロナウィルスのせいで、そういうのを計画におさめて行くことは複雑になっている。それに今は110%のチーム代表であることをしっかりと意識しなければならない」

 チーム代表への期待の重さを感じつつ。ラトバラは間もなく再開されるシーズンでも勝利を積み重ねていくことに集中している。

「正直、自分の仕事においてチーム代表という肩書きの横に自分の名前を確認した時の感覚は特別なものだ。自分でとても誇りに思う、でもそれと同時にその仕事に求められるハードワークと期待の重さも分かっているつもりだ」

「チーム代表であることをしっかり頭に入れて、今はポルトガルとサルディニアに向けて完全に集中している。3週間のうちに行われるこの2戦では、素晴らしいクルーとクルマが揃っているので現実的に十分に(勝利の)可能性があるだろう」

「次の4ヶ月に向けての準備はできているよ、そしてまたこの最初の4ヶ月のように順調に行ってくれることを願うだけだ」