これまでラリー・リエパーヤとしてラトビアで開催されてきたヨーロッパ選手権(ERC)ラウンドが、2024年にラリー・ラトビアの名称で世界ラリー選手権(WRC)として初開催されることが決定した。
バルト海沿岸の街リエパーヤとクルディガの山岳ステージを舞台に行われるラリー・リエパーヤの歴史は古く、その原点は1956年に遡る。2013年からはラリー・リエパーヤ・ヴェンツヴィルスとしてERCとして開催されていたが、当初はスノーイベントとして2月に開催されていた。しかし、雪不足となった2016年以降、秋に開催時期を遅らせて高速のグラベルイベントとして定着してきた。
ラリー・リエパーヤのWRC昇格については、新型コロナウイルスの流行によって中断していた2020年のWRCを再開させるイベントとしてその名前が浮上したときから注目されてきた。
残念ながらこのときは開催までの準備期間が短すぎたため合意には至らず、2021年もラリー・リエパーヤはWRCのリザーブイベントに指名され、このときもWRC開催の実現は叶わなかった。それでも、こうした経緯もあってイベントプロモーターのRAイベントはWRCプロモーターとの関係を深め、2022年から2年間にわたってラトビアでERCを開催したあと、2024年にWRCを初開催できるという長期的な協力関係を締結、WRC開催の実現にむけて政府、地域、スポンサーとの話し合いを時間をかけて行ってきた。
ラリー・リエパーヤのイベントディレクターを務めるライモンズ・ストロックスは、ラトビアでのWRC開催を「夢が実現した瞬間」と表現した。
「何年も前に始まった我々の仕事は、ついに2024年にラトビアがWRCイベントを開催するための明確な道筋を示したことで完結した。イベントオーガナイザーであるRAイベントにとって、これはとてつもなく大きな節目であり、大きな責任を伴うものだ」とストロックスは語っている。
「もちろん私たちに、ラトビア政府、ラリー都市リエパーヤ、首都リガ、そして総合スポンサーのテト社など、信頼できるパートナーがついている。そして、その背後には、さらに幅広い熱意あるチームがあり、このチームとともに、私たちの前に立ちはだかるすべての難題に取り組む準備ができている」
WRCプロモーターのスポーツ担当シニアディレクターであるピーター・トゥールは、次のように述べている。
「ERCからWRCへのローテーションを可能にするために、WRCカレンダーに少なくとも1枠を確保することは、常に我々の目標だった」とトゥールは語っている。
「ラリー・ラトビアが初めてこの枠を与えられたことは、そのスポーツ性とプロモーションの卓越性、そしてラトビア政府のラリーに対するコミットメントが明確に認められたということになる」
「この決定は、WRCにとってバルト海沿岸地域が戦略的に重要であることを示すものだ。WRCは、150カ国以上、50以上の放送局とのネットワークへと広がりをみせており、地球上で最も広く視聴されているモータースポーツ選手権の一つとなっている」
ラリー・ラトビアは、主要都市リガやリエパーヤなど、ラトビアの複数の地域で開催されると見られるが、正確な開催日程は未定となっており、FIAワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)の承認を待ってWRCのカレンダー入りが正式に決定することになる。