JAPAN2019/07/08

ラリー・カムイで新井大輝が独走、今季2勝目

(c)Takeshi Sakuma

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 全日本ラリー選手権第6戦ARKラリー・カムイが7月6-7日に行われ、スバル・チーム・アライの新井大輝/小坂典嵩(スバル・インプレッサWRX STI)が後続に52秒もの大差をつけて今季2勝目を飾ることになった。

 ARKラリー・カムイは6日の朝、ニセコ・アンヌプリ国際スキー場の駐車場からスタート、5番手というスタート順にも恵まれた新井大輝は、3.68kmのオープニングSSで後続に1kmあたり1秒以上となる3.9秒差をつける好タイムを叩き出して首位で発進することになった。

 3.9秒差の2番手には新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が続いており、親子対決になることを期待させることになるが、1番手のポジションでスタートした彼は路面の砂利掃除に苦しむことになり、じわじわとタイムを落とすことになる。5番手というスタート順を味方にしてクリーンな路面のなかで快走を続ける新井大輝はSS2、SS3と連続してベストタイムを奪って朝のループで20.8秒へとリードを広げることに成功する。

 選手権リーダーの新井敏弘にとって誤算だったのは、クリーンになった午後のループになってもペースが上がらなかったことだろう。新井敏弘は硬い路面でタイヤの摩耗に苦しむことになり、SS4で鎌田に抜かれて3位へと後退、さらにSS6では勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)にも抜かれて4位でこの日を終えることになる。

 SS4で2番手に浮上した鎌田は、SS5でベストタイムを奪って反撃したが、午後も2つのステージでベストタイムを奪った新井大輝が22.6秒へとリードを拡大して首位でこの日を終えることになった。

 そして迎えた最終日、新井大輝は一番手というスタートポジションながらオープニングステージのSS7でベストタイムを奪って好調な滑り出しをみせたが、後続勢に波乱が待っていた。2位につけていた鎌田がパンクで27秒を失って後退、さらに4位につけていた新井敏弘が低速の右コーナーでアウト側のグラベルに乗ってスライドさせてしまい、まさかのコースオフ、リタイアとなってしまう。さらにこの悪夢ともいえるコーナーでは午後のループの2回目の走行でも2位につけていた勝田までがコースオフすることになってしまう。

 ベテラン勢にドラマが相次ぐなか、したたかでミスのない走りで首位をキープした新井大輝が今季2勝目、グラベルラウンドでは初勝利を飾ることになり、終盤のSS9、SS10の連続ベストタイムでラリーを締めくくった鎌田が52.8秒差の2位でフィニッシュすることになった。

 また、JN-2では上原 淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプR)、JN-3は山本悠太/山本磨美(トヨタ86)、JN-4は関根正人/草加浩平(スズキ・スイフト・スポーツ)、JN-5は天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)、JN-6は大倉 聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)がそれぞれ優勝を飾っている。