世界ラリー選手権(WRC)のイタリア・ラウンドは、早ければ2026年にもサルディニア島を離れてイタリア本土に戻る可能性があり、永遠の都ローマでこれまで9回のヨーロッパ・ラリー選手権開催を成功させたラリー・ディ・ローマ・カピターレがそのステイタスを引き継ぐ可能性があるという。
WRCイタリア・ラウンドの開催地は、2004年にイタリア本土のサンレモからサルディニア島に移って以来、2009年を除いて毎年、この島で開催されてきた。先週末のラリー・イタリア・サルディニアは22回目の開催を迎え、WRCカレンダーの定位置をすっかり確保したかに見える。しかし、2023年以降3年間にわたるWRC開催の契約は今年で終了となるため、英国メディアの『Autosport』は、WRCとイタリアの間で新たな複数年契約が準備されていると報じているが、その開催地はサルディニア島ではなく、イタリア本土になる可能性があるという。
ラリー・イタリアがサルディニア島を離れてイタリア本土に復帰する計画は、これまでにも何度か浮上したものの、その都度、白紙になっている。それは、イタリア自動車クラブ(ACI)会長のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニがラリー・イタリア・サルディニアの主催団体ACIスポルトの会長でもあったことも強く影響していると信じられてきた。
しかし、イタリアのすべてのスポーツ連盟における会長の任期について3期までに制限するという新法が制定されたことで、今年、4期目を務めていたダミアーニも遡及的に2月に会長を辞任している。
サルディニアについては以前からWRCプロモーターとチームからは島に行くためのロジスティクスの負担が大きく、より観客が多く、プロモーション的な価値の高いイタリア本土でのWRC開催を求める声が高まっていた。
新たなWRCイタリア・ラウンドとして有力視されるラリー・ディ・ローマ・カピターレは、首都のローマをスタート地点として2013年に初開催された新しいイベントだ。しかし、このエキサイティングなターマックイベントは、開催3年目にはイタリア選手権のカレンダーに加わり、それ以降も目覚ましい進歩を遂げて、開催5年目を迎えた2017年にはERCイベントへと昇格を果たし、今年、10回目のERC開催を果たすことになっている。
ラリー・ディ・ローマ・カピターレの主催者代表を務めるマックス・レンディナは昨年のイベント記者会見において、ローマでWRCを開催するための努力を続けていると公言、ローマのシンボルとも言える世界遺産のコロッセオで行われるスペシャルステージを将来のWRCプロジェクトのコアとして定め、すでにいくつかの計画を温めていると明かしていた。
「我々はそのため(WRCへの昇格)に取り組んでいるし、FIAやWRCプロモーターやACIとも話をしなければならない。コロッセオのステージだけはどこにも真似できないものだから、人気も出るだろう。もしWRCのプロジェクトが実現すれば、それがもっと長いステージで違った特徴を持つゲームの一部になるだろう」
イタリアのスポーツ大臣アンドレア・アボディは先週末、サルディニア島を訪れ、WRCプロモーターと同国のラリーの将来について協議しており、そのテーブルでは、WRCとERCの両方を対象とする長期契約についての話し合いが行われたと、『Autosport』は報じている。
同メディアでは、サルディニア島が来シーズンもWRCカレンダーに含まれる可能性は依然として高く、ラリー・ディ・ローマがWRCの開催基準を満たすためには時間が必要だと報じているが、すでにラリー・ディ・ローマはWRCにふさわしい十分な実績と開催レベルを証明しており、数年もかからないうちにWRC開催される可能性はきわめて高いといえそうだ。
2026年のWRCカレンダーは7月に発表される見込みだ。