WRC2025/06/30

ラリー後会見:すべてが完璧にできた

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シリル・アビテブール(ヒョンデ・モータースポーツ・チーム代表):「今回は典型的といえる過酷なアクロポリスだった。極度の暑さ、非常に長い一日、多くのパンクやメカニカルトラブルが相次いだ。我々はそれらをすべて乗り越え、この灼熱のイベントを制することができた。オイットは週末を通して素晴らしい走りを見せてくれた」

「彼はクルマの本来のポテンシャルを証明し、そして特に今シーズンここまで非常に厳しい状況が続いてきた中で直面することになった数々の困難を乗り越えるための正しいマインドセットを持っていた。我々にとって今季初勝利となるが、これはチーム全体の努力の賜物であり、それを悪名高いほど過酷なラリーの一つであるこのアクロポリスで成し遂げられたことはさらに特別なことだ」

「アドリアンとティエリーも非常に力強い週末にできる可能性があったが、いくつかのトラブルにより、総合順位では後方に沈むことになった。それでもアドリアンが表彰台に戻ってきたのは素晴らしいことであり、彼の成熟さとチームの目標に貢献する力を見せてくれた。ティエリーについても、次戦のラリー・エストニアでより良い状況になることを期待している」

オイット・タナク(1位):「本当に厳しいラリーだったよ。もちろん、最終的には、タイヤの状態を保ちつつも同時にパフォーマンスも発揮できるよう、すべてをうまくパッケージとして機能させることができてとても満足している。土曜日の朝からは自分たちのペースをうまくコントロールすることができた。クルマの感触も良く、こうしたラフなコンディションでもクルマはとてもよく機能していた。全体的にはドライビングを楽しむことができたが、一方でパンクするリスクが非常高いことも理解していたので注意が必要だった。それでもクルマのフィーリングが良ければそうした判断も確実に分かりやすくなり。明確な戦略は、タイヤの空気を維持すること、それはいちばんだった。タイヤも摩耗管理も含めて、すべて完璧にできていたと思う。路面のスムーズなセクション、すなわちリスクが小さい、そうしたところではプッシュして、タイムを稼ぐことができた。そしてその他、荒れたコンディションのところでは抑え気味に走っていた。これがこの週末の鍵となっている」

アドリアン・フールモー(3位):「いい週末だった。自分たちの成果は十分誇れると思う。金曜日は友人の葬儀があったんだ。だから彼のためにこの表彰台に立てたのは本当に良かったと思う。そんな彼がクルマの中にいて今も僕たちを見守ってくれていると感じている。チームのおかげで良いイベントになった、本当に感謝している。また表彰台に立つことができて嬉しい」

ティエリー・ヌーヴィル(5位):「失望の週末だった。正直これ以上言うことはない。3回のパンクに今日はダンパーのトラブル、その他にもいくつか問題があった。次に控えているラリーはこれまであまり得意とはしていないけど、どうなるかな。シーズン序盤は厳しい展開が続いてきたけど、僕たちはいつもどおりの仕事を続けていく・・・。決して諦めず、自分たちの時が来るのを待つよ」

ユハ・カンクネン(トヨタGAZOOレーシングWRTチーム代表代行):「パフォーマンスは良かったので、そのことは良かった。もちろん我々はすべてのラリーで勝利したいと思っているが、今回は良い戦いだった。オイットは素晴らしい走りだったし、セブも同様だ。だが今回は、彼(タナク)のほうがわずかに速かった。今日の結果には総じて満足している。パワーステージで1番手タイムと2番手タイムを獲得できたのだから、文句はない。獲得したポイントはヒョンデと比べて4ポイント少ないだけだ。我々のドライバーたちのパフォーマンスにはとても満足している」

「我々はセブが参戦を望むすべてのラリーで彼のためにマシンを用意する。我々には彼が間違いなく必要だ。彼はいま好調で、直近の3つのラリーはいずれも非常に難しいラリーだったにも関わらず、そのすべてで素晴らしい仕事をしてくれた。エルフィンも、1番手出走として道を開くという困難な役目を見事にこなしてくれた。過去3つのラリーはいずれも、あの出走順で走るのが本当に難しいラリーだった。私自身すべてのラリーを経験し、1番手として走ったこともあるので、その大変さはよく分かっている。カッレとエルフィンのスピードは依然として健在であり、1か月の間にドライビングスキルが失われたわけではない。次の2つのラリー、エストニアとフィンランドは高速ラリーなので、そこは我々にとっては大丈夫だろうと思う。1番手スタートでもそこまでスリッパリーではないはずだ」

セバスチャン・オジエ(2位):「今週末は非常に力強い走りができたと思う。今週末のオイットに対して僕たちにできることはほとんどなかった。彼は本当に飛ぶような速さだったからね。こういうレベルの高いドライバーと戦うとき、金曜日に出走順が2番手では全くチャンスがない。自分たちの走りには誇りを持っているし、これ以上できたことはあまりなかったと思う」

エルフィン・エヴァンス(4位):「厳しい週末だった。今回も望んでいたようなペースは出せなかったけれど、何かを持ち帰るためには最後まで走り切る必要があって、それはなんとか達成できた。もっと悪い結果になっていた可能性もあると思う」

カッレ・ロヴァンペラ(27位):「今週末は本当にがっかりだった。本来あるべきレベルに達していなかったので、チームに申し訳ない。しっかり取り組み、エストニアではもっと強くなって戻ってくる。このラリーはうまくいかなかったけれど、時にはこういうこともある。前に進むだけだ」

勝田貴元(30位):「今週末は僕たちにとってかなり悪い結果だった。ペースはかなり良かったが、結果を出すことができず、チームには申し訳ない。本当に残念だけど、今後のラリーはとても重要なので、そこで良いプッシュができるよう最大限の準備をするつもりだ」

サミ・パヤリ(46位):「ラリー前から知っていた通り、本当に難しいラリーだった。ラリー・ギリシャはいつもトリッキーだ。もちろん自分たちが望んだ結果ではなかったが、金曜日にはいくつか良いタイムを出せたし、今日も一番手出走の良い経験を積めた。マシンを無事に修復し、僕達が今日走れるようにしてくれたチームには心から感謝している」

リチャード・ミルナー(Mスポーツ・フォードWRTチーム代表):「このイベントに向けて、アクロポリスが厳しい戦いになることは分かっていた。気温が40度台前半、路面温度が40度台後半、そしてコクピット内の温度が50〜60度にもなる状況では、簡単なはずはない。金曜日朝の1本目の本格的なステージでは、ジョシュとマーティンがいきなりパンクに見舞われるという打撃を受けることになった。その後も、このような過酷なイベント特有の小さなトラブルがいくつか発生した」
「とはいえ、クルーたちがいくつかのステージで堅実なタイムを出してくれたことというポジティブな面もある。今後は、エストニアとフィンランドというずっと高速な全く異なるタイプのルースグラベルの挑戦に向かうことになる」

ジョシュ・マクアリーン(12位):「僕とエイオン(・トレーシー、コドライバー)、そしてチーム全員にとって、本当に根性と覚悟が求められるラリーだった。毎サービスごとに大掛かりな修復作業があって本当に大変だった。でも、クリーンに走れたステージではパフォーマンスも悪くなかったと思う。これまで良い結果を出せているエストニアやフィンランドでは、もう少し楽になることを期待している、でもその前にまずは休養が必要だ!」

マルティンシュ・セスクス(15位):「興味深い週末になった!今回がギリシャ初参戦だったけど、これで3戦連続となる、SS2でのトラブルに襲われることに‥今回はパンクだった。それでもこの走っている中で経験を積むことができたのは大きな収穫だった。今回はトラブルを避けてクリーンに走るという方針を決めて、それをしっかりと実行できたので多くのことを学べた」

グレゴワール・ミュンスター(リタイア):「今週末は長期的な視点でトラブルを避けるという計画を立て、それが上手くいっていた。しかし、土曜夕方のサービスで技術的な問題が発覚し、日曜にリスタートができず、6位からリタイアを喫することとなった。この結果を受け入れるのは辛いが、3週間後のエストニアではより強くなって戻って来るつもりだ!」