ERC2016/10/09

ルクヤヌク、キプロス二日目も首位キープ

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 2016年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)最終戦のキプロス・ラリーが10月8日にレグ2を迎え、ロシアのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)が今季2勝目にむけて独走態勢を築いている。いっぽう、2ポイント差でドライバーズ選手権でルクヤヌクと2位を争うラトビアのラルフス・シルマチス(シュコダ・ファビアR5)は3位まで追い上げたものの、2分17秒遅れとなっており、逆転は厳しい状況だ。

 初日をトップで終えたルクヤヌクは、この日もラフなグラベルと砂が乗ったトリッキーなターマックのミックス路面でもペースを落とさずに快調な走りをキープ、SS4、SS5と連続してベストタイムを奪って、リードを50.7秒まで広げることになる。だが、次のSS6で彼はペースノートに集中できずに高速でスピン、ひやりとすることになった。

 だが、この一瞬の油断も許されないシビアなこのステージでミスをしたのは彼だけではなかった。初日を2位で終え、この日も連続して素晴らしいペースをみせて2位をキープしていたラトビアのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)が狭くなった高速セクションで横転、金曜日に19歳を迎えたばかりの期待の新星はそのままリタイアとなってしまう。

 これで64秒差の2位にマリヤン・グリーベル(シュコダ・ファビアR5)が浮上するものの、ルクヤヌクは午後のループでも集中力をみせてリードを1分35.5秒へと広げて二日目をフィニッシュすることになった。

 大差でリードしているとはいうものの、ルクヤヌクは危ないスピンを喫した一日を振り返り、ゴールするまではリラックスできる状況ではないと認めている。

「ステージの要求は厳しく、リラックスするのは簡単ではない。もしリラックスしたら、僕らがやってしまったようなミスをしでかすことになる。午後のステージは集中して走ったよ」とルクヤヌクは語っている。

 R5マシンのデビュー戦ながらグリーベルが二日の2位を守りきったものの、彼にとってはトップのルクヤヌクよりも後方から追い上げてきたシルマチスのペースのほうが気になっていたようだ。

 ドライバーズ選手権で逆転の2位を狙うシルマチスは、ナイトステージで苦戦して初日6位と低迷したものの、この日はオープニングをベストタイムで発進、SS6でもこの日2つ目となるベストタイムで3位へと浮上することになったが、ERCジュニア王者の意地をみせるグリーベルも2位を死守すべく午後は全ステージでシルマチスと遜色のないタイムを叩きだし、二人は41.6秒差で最終日を迎えることになった。

 ハンガリーのダビット・ボトカ(シトロエンDS3 R5)は前日の8位から追い上げをみせたが、気温が高くなった午後のステージで燃料ポンプのトラブルでタイムロス、さらにラジエータにもダメージを負いながらもどうにか4位につけている。

 ギリシャ・チャンピオンのランブロス・アサナスラス(フォード・フィエスタR5)は左フロントタイヤをパンクしながらもこの日、6位につけていたものの、最後のスーパーSSに向かうロードセクションで燃料系のトラブルでマシンをストップしている。