ERC2017/08/05

ルクヤヌク横転リタイア、ブフィエが初日トップ

(c)ERC

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 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第5戦ラリー・ジェシュフは4日に初日を迎え、大きなアクシデントによるケガから2カ月半ぶりに復帰したアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)が速さを見せながらもクラッシュする波乱の幕開けとなるなか、このイベントで過去4回の優勝経験をもつブライアン・ブフィエ(フォード・フィエスタR5)がラリーをリードすることになった。

 猛暑となったラリー・ジェシュフの初日、ケガの痛みに耐えながらもシェイクダウン最速タイムを記録したルクヤヌクは、23.83kmのオープニングステージも2番手タイムのマッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタR5)を4.2秒も引き離す圧巻の速さを見せてラリーをスタートすることになった。

 ルクヤヌクは続く24.56kmのSS2でも中間スプリットでオストベルグを5秒も引き離す快調なペースでさらにリードを広げるかに見えたが、残り4km地点の高速の右コーナーの出口でディッチにタイヤをヒット、その弾みでマシンは何度も横転して大破してストップすることになる。幸いなことにルクヤヌクとコドライバーのアレクセイ・アルノートフにケガはなかったものの、マシンのダメージは大きくリタイアとなってしまった。

 これで首位に立ったのはオストベルグ。新しいコドライバー候補であるパトリック・バースとのコンビネーションを試しつつ、ラリー・ドイッチュランドにむけたトレーニングのために出場した彼は、半年ぶりのターマックラリーにもかかわらず、このステージでトップタイムを奪い、ブフィエに15.8秒差をつけて朝のループを終えることになった。

 だが、午後のループが始まるや、今度はオストベルグにトラブルが襲いかかる。彼はSS3の残り14km地点でリヤブレーキを失うトラブルに見舞われて7秒をロス、ブフィエに8.8秒差に詰め寄られることになった。彼はどうにか首位をキープをするものの、続くSS4で今度はスタート直後にパワーステアリングにも問題を抱えてしまい41秒をロス、38秒遅れの6位に後退することになった。

 SS3、4で連続してトップタイムを奪ったブフィエが首位に浮上、前日の予選ではポップオフバルブの問題を抱えたものの、この日は大きな問題もなく首位を守りきり、最後のSS5でもベストタイムを並べて、2位につける19歳の新鋭ニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)に対して18.6秒をリードして初日を終えることになった。

 3.8秒差の3位は、地元の英雄カイエタン・カイエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)。しかし、グリアジンとともに彼もSS2でクラッシュしたルクヤヌクのマシンがコースをふさいだことによってタイムを落としたと主張しており、タイムの救済がされるかもしれないとも言われている。

 総合4位はマリヤン・グリーベル(シュコダ・ファビアR5)、ERCジュニア・アンダー28ではトップのグリアジンからはわずか12.9秒遅れとなっている。

 昨年のポーランド・チャンピオンであるグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)が初日7番手、プジョー・ラリーアカデミーのホセ・スアレス(プジョー208T16 R5)が8番手で続き、チームメイトのぺぺ・ロペスはSS1でクラッシュアウトとなった。

 選手権リーダーのブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)はセットアップに苦戦、オープニングSSで45秒をロスしてスタートした後もペースを取り戻すことができず、2分39秒遅れの12番手にとどまることになった。

 ERCジュニア・アンダー27は、オペル・ジュニア・チームのヤリ・フットネンとクリス・イングラム(ともにオペル・アダムR2)がオープニングSSから同タイムで並ぶ接戦となった。

 ラリー・フィンランドでR5マシンでの2戦目ながらWRC2初優勝を飾ったフットネンは、SS2でのベストタイムでイングラムをリード、追いすがるイングラムもSS3でトップタイムを奪い返すも彼はSS4で技術的な問題からマシンを止めることになり、フットネンが地元アレックス・ザヴァダ(オペル・アダムR2)に1分27.4秒をリードすることになった。

 また過去3度ERCチャンピオンを獲得しているルカ・ロセッティはTMG製のトヨタGT86 CS R3で出場、ERC3ではフットネンとイングラムに続く3位でスタートすることになったがSS3のクラッシュのためにリタイアとなり、コドライバーのエレオノラ・モリが病院に搬送されている。なお、検査の結果、モリは健康状態に異常なしと診断されている。