WRC2022/12/06

ルーベ、ジルスールを新しいコドライバーに?

(c)Hyundai

 躍進著しいピエール・ルイ-ルーベは、新たに最強のパートナーを見つけることができたのかもしれない。彼は、今週末に南フランスのグルノーブル近郊で行われるイヴェナール・ドゥ・デヴォリュイ・ラリーにベテラン・コドライバーのニコラ・ジルスールと出場する。

 イヴェナール(冬の)という名前が示すようにウィンターコンディションのターマックで争われるデヴォリュイ・ラリーは、来季のラリー・モンテカルロの準備のためには絶好のコンディションで争われるため、世界ラリー選手権に挑むニコライ・グリアジンやグレゴワール・ミュンスターがエントリーリストに名を連ねている。そしてそのリストのトップランナーとして興味深い二人が注目を集めている。

 長年コンビを組んできたヴァンサン・ランデをセバスチャン・オジエに奪われたルーベは、新シーズンに向けて新しいコドライバーを探す必要に迫られていたが、かつてティエリー・ヌーヴィルのコドライバーを務めていたジルスールとともにフォード・フィエスタRally2でデヴォリュイ・ラリーにエントリーしている。

 ジルスールは2011年以降、10年間にわたってヌーヴィルのコドライバーを務めてWRCで13勝、43回の表彰台を飾っていたが、2021年の開幕戦ラリー・モンテカルロの直前に突然コンビを解消しており、ヌーヴィルはマルテイン・ウィダーゲを新しいパートナーに選んでいる。

 ほぼ2シーズンにわたってコドライバーの仕事を離れたジルスールは、今年、若手のジーノ・バックスのコドライバーとしてベルギー・ラリー選手権に復帰、バックスは先週末に行われたスパ・ラリーではシェイクダウンのアクシデントによる胸の痛みに耐えられずにスタート直後にラリーを棄権したが、シーズンを2位という好成績で終えている。

 ルーベは2022年のWRC 7戦に出場、ラリー・イタリア・サルディニアとアクロポリス・ラリー・ギリシャで4位に入賞して成長を示しており、とくにアクロポリス・ラリーでは2度のベストタイムを奪って初めてラリーをリードしている。この好成績を受け、ルーベは来シーズン、Mスポーツ・フォードからフル参戦することが期待されており、WRCで113戦の経験を持つジルスールはこれ以上ない力強いパートナーになりそうだ。