MotoGPの英雄バレンティーノ・ロッシは、モンツァ・ラリーショーで9つすべてのステージを席巻し、Mスポーツ・ワールドラリーチームのテーム・スニネンを破って7度目の勝利を獲得した。
ロッシはル・マン24時レース・ウィナーのリナルド・カペッロの5勝より2つ多くの勝利を記録し、モンツァ・ラリーショーの最多勝利ドライバーとなっている。モンツァ・ラリーショーではこれまでにセバスチャン・ローブやロバート・クビサも優勝を経験しており、ダニエル・ソルドも2度の勝利を飾っているが、ここでの勝利にロッシは燃えており、Mスポーツの最新のフィエスタWRCを駆って出場することになった。
ロッシのフィエスタはセバスチャン・オジエがフィンランドとドイツで駆った最新のエアロ・ダイナミクスを備えており、ヘルヘットと同じく黒と黄色にラッピングされたマシンが週末を席巻することになった。
ロッシの最大のライバルになったのはスニネンだった。これまで勝田貴元のコドライバーを務めてきたマルコ・サルミネンとの初のコンビでのラリーに臨むことになったスニネンは、彼もまたエアロ仕様でのフィエスタWRCを駆ってロッシを追い掛け、初日こそ7秒という僅差で続いたものの、パラボリカのあとのシケインで大きくコースアウトして大きくタイムを落としてしまう。
スニネンは最終日のSS8ではロッシと並ぶベストタイムを獲得したが、地元のピレリタイヤを武器にしたロッシには届かず、最終的にロッシから1分7秒遅れの2位でラリーを終えることになった。
ロッシはこれでモンツァ・ラリーショーで4年連続勝利、通算7勝目を記録することになった。
「僕はこのラリーでこれまで世界最強の男達と戦ってきた。ローブ、ソルド、ヌーヴィル、ミケルセン、クビサ、そして今年はスニネンがライバルだった。僕は負けたこともあったが、この週末は完璧なレースをすることができた。でも、ここは林のなかの道路を走るのではなく、サーキットだから、僕に分があったね。素晴らしい勝利になったよ」
WRC Plusカテゴリーで走った現行マシンのフォード・フィエスタWRCがトップ4を独占、スズキのモトGPライダーであるダビデ・ブリビオの兄弟でスズキ・モトGPのスタッフを務めるロベルト・ブリビオが、ロッシの長年の右腕であるウッキオ・サルッキに僅差をつけて3位を獲得した。
モンツァ・ラリーショーに毎年参戦しているモトクロスの英雄、アントニオ・カイローリは、ヒュンダイi20 WRCを駆り、旧スペックのWRカーの中で最も高い5位を獲得した。2017年に3位の表彰台を獲得した元アウディLMP1のドライバーマルコ・ボナノミは、旧スペックのフィエスタRS WRCを駆ったが、カイローリまで約1秒届かず6位に終わっている。
R5クラスは、ヒュンダイドライバーのルカ・ロセッティが技術違反のペナルティを受け、新しいフォルクスワーゲン・ポロR5を駆ったアレッサンドロ・レが優勝した。地元イタリア選手権で11回目の王座を飾ったパオロ・アンドレウッチは、カーナンバー11をつけたプジョー208 T16 R5で出場したものの、センサーの問題に悩まされてR5クラスの8位に終わっている。
モンツァ・ラリーショーのポディウムが行われたあと、日曜日の午後には勝ち抜き形式で行われるマスターズ・ショーが行われ、セミファイナルでスニネンを下したカイローリとロッシの対決となったが、ロッシが貫禄勝ちを収めている。