WRC2025/06/05

ロッセル、WRC2の選手権リードを広げるか

(c)RedBull Content Pool

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 WRC2選手権リーダーのヨアン・ロッセルにとって、今週のラリー・イタリア・サルディニアは、主要なライバルの多くが不在、またはポイント獲得の対象としていない中で、リードを広げる絶好のチャンスとなる。

 PHスポールのシトロエンC3 Rally2でWRC2に参戦しているロッセルは、全16ステージにわたる過酷なグラベルステージが待つラリー・イタリア・サルディニアにおいて、WRC2にエントリーする34台の筆頭として名を連ねている。

 現在ロッセルはオリヴァー・ソルベルグに7ポイント差をつけてランキングトップに立っている。ソルベルグはプリントスポーツがプリペアするトヨタGRヤリスRally2で参戦しているが、今回はポイント対象外としての出場を選択している。一方、27ポイント差でランキング3位のガス・グリーンスミスはこのイベントを完全にスキップする。

 ロッセルは、モンテカルロとカナリアスでの勝利、そしてポルトガルではソルベルグに次ぐ2位と、ここまでほぼ完璧なシーズンを送っている。今週末のイベントでは最大のライバルたちがタイトル争いに絡まないことから、サルディニアはリードを拡大する絶好の機会となる。

「プランとしては、他のドライバーたちにプレッシャーをかけ、自分の休みに入る前に十分なポイントを獲得しておく、というものだ」とロッセルは語っている。「サルディニアを終えてどうなるかだね。確実にグリップがしっかりとある同様のコンディション、(ポルトガルでは)クルマはとても走りやすかったので、今回も同じようないいフィーリングで走れることを期待している」

 ロッセルはサルディニアのグラベルでも好成績を残しており、過去3回の出走ではすべて4位以内で、昨年は2位に入っている。

 最も経験豊富なドライバーの1人がピエール-ルイ・ルーベで、彼は2022年にRally1カーで自身のキャリア最高の4位を記録している。WRC2で勝利した2019年には、同年のタイトル獲得に至っている。

「またサルディニアに戻ってこられて嬉しいよ。ここには良い思い出がたくさんある。2022年、Rally1カーで表彰台を争ったことは特にそうだ」とルーベは語っている。「イベントを通じてこのクルマとともに成長して、トップに少しでも近づけるように頑張りたい。エンジニアやチームの仕事ぶりに本当に満足している。すべてを最適にするために頑張ってくれているから、僕たちがどこまでやれるか楽しみだよ」

 ルーベは、FIAラリースター・ウィナーのロメット・ユルゲンソンとともにMスポーツ・フォードのWRC2ラインナップで参戦する。

 今回のサルディニアで、もう一人の注目のドライバーを挙げるなら、それはフィンランドの若手、ローペ・コルホネンだろう。

 コルホネンは、ラリー・ハンガリーでのERC勝利に続き、先週末のFIA ERCロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビアでも2位に入っており、WRC2でもポルトガルで4位と好調を維持して選手権では現在4位につけている。

 今回表彰台を狙える競争力のあるドライバーは、コルホネンの他、パラグアイのファブリツィオ・サルディヴァル、スペイン勢のヤン・ソランス(昨年のサルディニア3位)、国内選手権王者のアレハンドロ・カション、そして元eスポーツ出身のディエゴ・ルイロバらが名を連ねている。

 さらに、フィンランド勢も強力なラインナップとなっており、2022年WRC2王者、トークスポーツのシュコダ・ファビアRS Rally2で走るエミル・リンドホルムを筆頭に、ラウリ・ヨーナ、ミッコ・ヘイッキラといった実力者たちが揃ってシュコダで参戦する。またエストニア出身のロバート・ヴィルヴェスも、トークスポーツのシュコダで注目すべき存在となりそうだ。